「龍族的后裔」第十七集『朱姓 仁徳之君(上)』
将軍・曹挟はその功績が認められ邾の地に封じられた。曹挟は豊かな国を作ろうと意気込んで封地へやってきたが邾国の民は貧困にあえいでいた。さらに来て早々妻の車が盗賊に襲われ、妻は無事だったが彼女の母の形見のネックレスを奪われた。こんな物騒な土地は嫌だと妻は嘆く。
弱小の邾国は常々隣国の魯の略奪に遭っていて秋の収穫も強奪されることがしょっちゅうあるという。そしてそれを撃退する力がないのだ。朝臣らは夫人を襲ったのも魯国の仕業ではないかと噂する。曹挟は話し合いのために自ら魯国へ赴くことを決意した。しかし妻は魯国へ行く前にまず国内の食糧問題をなんとかしないと民が不安になるだろうと言う。
翌日妻と共に田畑を視察に行った。邾国の土は肥沃で耕作に悪くはないのだが灌漑が難しい地形をしている。そのため収穫は天気次第になっているのだ。曹挟は新たに丘陵地を開墾してはどうかと提案するが、地元民である大司馬・贏匡が丘陵地だと灌漑に不適なので、果樹を植えたらどうだろうかと提案した。果樹は主食にならないので民の腹を満たすことはできないが、売買する商品となる。もし魯国との話し合いで友好関係が築ければ邾国特産の輸出品とすればいい。
食糧問題の解決としてはやはり新しい灌漑の方法を考えるしかない。曹挟は良いアイディアを出したものに褒美を出すと広く民に触れを出した。
周王家から分封された王は国名を自分の姓に変えるのが一般的であったが、曹挟は邾国の国名は邾のままにすると宣言した。
曹挟は魯国へ赴くが、魯国大司寇・鄰富が取り次がず相手の出方を窺っていた。
魯国君主の伯禽は邾国君主・曹挟が来魯していることを知らされ鄰富を呼びつけた。曹挟が来て既に5日も経っていると聞いて憤り叱りつけ、体調の悪い自分に代わって面会してこいと命じる。
鄰富に会った曹挟は、妻が盗賊に奪われたネックレスが実は魯国への贈りものにしようとしていたものなので、魯国で捜査して探し出してほしいと申し出た。そして大粒の真珠を差し出す。鄰富は彼が周王家の将軍であった時に一緒に働いていたことがあったのだが当時の彼は実直短気であったため、このような根回しをするさまに少々驚きつつも受け取った。友好条約については、毎年貢物を増額して差し出すというなら主君は快諾するだろうと鄰富は言う。
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鄰富は良い人そうな外見なのに悪役なのか。伯禽はちょっと悪そうな顔してるけど。伯禽は前回にも出て来た周公旦の長子。周公旦は摂政を退いた後魯国に封じられた。
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