「龍族的后裔」第十六集『滑姓 胸懐家国(下)』
伯爵は蔡叔、霍叔に戦争は無益だと訴えるが、蔡叔は周公がすでに兵を引き連れ出発したとの報せも聞いておりもはや引くことのできない状況だと言い伯爵を軟禁した。
伯爵は夜になるのを待って見張りを倒して庭園の抜け道から脱出した。そして向かったのは管国。管叔にやはり戦ではなく話し合いで解決してほしいと訴える。管叔はすでに自分の作戦通り周公が乗って来て、王位簒奪の噂が真実になるのだと笑い、己が流言を吹いたことを明かしてみせる。そして口封じのために伯爵の首に手をかけるが、今ここで自分を殺したら管叔は甥殺しの罪状により父と世論によって抹殺されるのは間違いないと言ったため手を止めた。伯爵はまた軟禁された。
周公は夜通し行軍して攻め武庚を生け捕った。つい先日都を出発したとの報せを聞いていたのにあまりの速さに管叔はうろたえる。すぐに蔡叔、霍叔の元に使いを出し兵馬を要求する。それにいざとなればこっちには人質がいる…。
管叔の側近の子楽が伯爵の元へやってきた。管叔が呼んでいるというのだ。子楽についていくが、向かう先は宮殿ではない。伯爵が訝しんでいると子楽は振り返り、馬を用意しているので逃げて周公の軍に合流しなさいと言う。しかし伯爵は自分は無益な戦を起こしたくないだけでこのまま逃げたら何も果たせないと拒む。そして管叔の書斎に連れて行って欲しいと頼み込んだ。
伯爵は書斎で目的の書を探すがそこへ管叔がやってきて見つかってしまった。縛り上げられた伯爵は再度戦が無益であり管叔のやり方は正義ではないと批判したため、管叔は憤り剣を突きつける。伯爵はならば父が正義を成すために自分は命を落とそうと首を差し出した。だが子楽らがここで殺しては戦に不利だと説得し、伯爵は連行されていった。そこへ周公の軍がやってきたとの報せ。速い、あまりに速すぎる…!
周公軍は準備の整っていない管国を易々と打ち破り管叔は周公の前に引き出されて来た。だが管叔は自分を殺せば伯爵の命はないと脅迫する。だがその伯爵を子楽が連れて来た。裏切り者め!管叔は罵る。伯爵は管叔が王位欲しさに旧王族や小部族を組んで周王朝を揺るがそうとした事実を暴露した。だが管叔はそんな証拠がどこにあると吼える。そこへ駆けつけた蔡叔、霍叔も周公が管叔を殺して王位簒奪の口封じをするつもりだと騒ぎ立てた。だが太公が静かに口を開く…実は子楽は私の古くからの友人、管叔の思惑はすべてわたしの耳に入っていたのだよ、と。さらに伯爵が彼の書斎から見つけ出した書簡を取り出して見せた。それが決定的な証拠だった。周公は斬首を命じる。そして蔡叔、霍叔にも剣を突きつけるが、伯爵はこれ以上肉親を殺さないで欲しいと跪いて訴えた。
蔡叔は流刑に、霍叔は爵位剥奪の上庶民へと落とされた。
伯爵は身勝手な行動をしたことを父に懺悔する。そして今回の騒動で武力の前に話し合いなど役に立たないことがわかったとこぼす。だが周公はそうでもないと言う。お前が発見してくれた証拠の書簡が父と叔父らを救ったのだ、と。
六年後、成王が成人すると周公は政権を返還した。成王は仁徳の厚い伯爵を特別に滑の地に封じた。伯爵は滑国の王となり滑伯と呼ばれるようになった。
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なんか「論語」あたりに出て来そうなエピソードだなぁ。
結局伯爵は姜子牙にいいように操られてたようにしか見えないけど。
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