劉平らは釈放され丁重にもてなされる。伏寿は劉平の妻、曹丕は魏文と名乗る。危険な行軍中に夫人連れかと言われ、劉平は死と隣り合わせだからこそ愛する人と少しでも長く一緒にいたいのだと答える。その言葉に伏寿はわずかな笑みを浮かべるのだった。
淳于瓊将軍が捕らえた曹操のスパイを並べ、この中に見知っている者はいないかと問う。その中にはあの鄧展が。鄧展は楊平の似顔絵そっくりな男を前にして目を見開く。と、魏文(曹丕)がこいつは魏家の仇人だと言って鄧展に剣を突きつけた。それを制止する劉平。淳于瓊が今度は鄧展に彼らを知っているかと問う。口縄を解かれた鄧展は言った「…綉衣使者の方です。」
審栄は司馬懿の牢へ行き父が許してくれるまで自分も一緒にいると座り込む。息子を溺愛している審配は袁紹の元に下りに来たという司馬懿の話術にもつい丸め込まれ彼を解放した。
鄧展はなぜ劉平が綉衣使者であることを知っていたか…実は数日前から密かに郭嘉からの文が届けられていたのだ。ある時は食べ物の中に、ある時は薬の中に忍ばせて。曹丕は結局のところ温県へ赴いた任務とは何だったのか問うが、彼は郭嘉の命令なので曹丕にも言えないと答える。劉平もまた鄧展の元を訪れた。鄧展はなぜ先ほど自分を殺させなかったのかと問う。彼は今陛下を名乗る人物が楊平であり目の前の人物だと知っている、無事戻れたらもちろん郭嘉に報告するつもりだと告げる。劉平はただ、無実の人が殺されることが耐えられないのだと答える。そして郭嘉に真実を告げるかどうかはあなたにお任せする、と。
司馬懿は先日この鄴城の重犯罪者の牢にスパイの女剣士が投獄されたと聞き唐王妃と確信する。司馬懿は審栄をそそのかして拷問中の郭嘉のスパイを逃がして衛兵らに追わせ、その隙に唐王妃を探すが、彼女の居場所が分かるもその前には頑丈な鉄の扉があり何ともできなかった。
曹丕は薬を用意した医者に近づき郭嘉とどう連絡をとっているのかと迫る。医者は何も知らないと言い張り曹丕はうっかり殺してしまった。鄧展がいち早く劉平らに曹丕が捕まったと知らせ今すぐ逃げるように促す。
曹丕を連行する淳于瓊に鄧展は劉平らが逃げたと報告する。淳于瓊はすぐに追うよう命じる。彼らが去った隙に鄧展は曹丕を捕まえている兵をなぎ倒し、隠れていた劉平がその縄を解く。そして急いで逃げ出した。
劉平は伏寿を支えながら逃げる。鄧展は自分がここで追っ手を食い止めると立ち止まり剣を抜いた。劉平に「もし都に戻れたら祭酒に真実を報告する」と耳打ちして…。
鄧展は単身で淳于瓊の兵に立ち向かうが多勢に無勢で最後には淳于瓊によって刺殺された。
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なかなか強引な展開だけど、漫画的でアリっちゃアリか。
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