日頃の不摂生もたたって魏帝は寝込んでしまい、日々病状は悪化していく。魏帝は叔父の曹宇を呼び、彼を大将軍に任じ太子の補佐を頼む。曹宇は大喜びで引き受け、この機に司馬懿を陥れて曹家の基盤を確固たるものにしようと提案し、魏帝は好きにしろと言う。しかし曹宇のその浮かれっぷりには辟邪も不安を抱くのだった。
司馬懿不在の朝廷は二つの派閥に割れていた。曹宇を中心とする曹公家のグループと、孫資、劉放ら尚書のグループだ。曹宇が太子の補佐につくと聞いた孫資らは自分たちの身の危険を感じ、曹爽の元へ行ってお前は曹宇の下に甘んじていていいのかと焚き付ける。そして強引にも彼を連れて陛下に面会を申し出る。そして必死に曹宇らのグループは自堕落で信用ならず補臣にしてはならないと訴え代わりに曹爽を推薦する。さらに司馬懿を呼び戻して曹爽の補佐をさせれば彼はベテランであるからより安心だと勧めた。
孫資らが曹爽を大将軍に推薦しに行ったと聞いた曹宇は仰天して、また魏帝の元へと舞い戻りどういうことかと大声で騒ぐので辟邪は怒って叱りつける。もう陛下は曹爽を大将軍とし司馬懿に補佐させることを決めたのだと。曹宇はあの司馬懿は絶対に信用ならない曹爽など彼にいいようにあしらわれるに違いないと訴え、すでに意識ももうろうとしている魏帝は好きにしろと言う。
曹爽からまた曹宇が陛下に目通りし大将軍の座を確約したようだと聞いた孫資らは急ぎ筆と墨を持って魏帝の元へ舞い戻り、曹宇の妄言に惑わされてはならず今ここで曹爽を大将軍にするとの聖旨を書くようにと申し出る。魏帝はやはり好きにしろと言う。孫資らは横になっている魏帝に無理矢理筆を握らせようとしたため辟邪は怒って払いのける。だが孫資は辟邪を押しのけ、魏帝の手に筆を握らせる。お前達なんてことを!この謀叛人め!辟邪の罵倒を背に浴びながら孫資はついに署名を書き入れた!魏帝はすでにぐったりとしたまま動かない。辟邪は孫資らを引きはがし蹴りつける。そして魏帝を起こそうと必死に呼びかけた。だが魏帝は全く反応がない。どうしてこんな酷い目に…辟邪は魏帝の手を握り涙する。
孫資は外へ出るとすぐに、曹宇らを免職し都から追放するという聖旨を読み上げた。
仲達が生まれ故郷でもある温県まで戻って来ると、県令以下多くの城民が凱旋祝いに出迎えてくれた。数十年ぶりに幼馴染の小周と再会する。彼の片腕は失くなっており、そして傍らには可愛らしい孫を連れていた。
医師は魏帝の脈を診るが、天の助けがあれば(運が良ければの意味)良くなると言い、それを聞いた魏帝はつまり死ぬということかと錯乱し剣を振り回す。医師だけでなく皇后にまで剣を突きつけ辟邪が必死に押しとどめた。魏帝が自分が死んだらお前はどうするつもりだと問うと、辟邪はすぐに後を追うと、わたくしはいつでもお側におりますと答えた。
かつて帝位を受けた時、父・曹丕は「すまないな。」と言った。今私は父にすまないと思ってる、私は父がくれたこの魏国を守り切れそうにない、あの司馬懿が生きているのに私が死ぬからだ…!
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わかりにくいけどこの回はコメディ的展開だったようだ。
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