仲達の説得に魏帝は涙を流しすぐに命令を撤回させるよう使いを遣る。すでに太后への刑が命じられた後だと知った仲達はすぐに退室する。
長い階段を降りている時にまた階段を駆け上がって来る辟邪とすれ違う。辟邪は勝ち誇ったような笑みを浮かべていた。さらに下にはよろよろと階段を登ろうとしている陳群の姿が。「仲達、遅かった!太后さまは自害された…!」仲達は目を見開く。
背後から魏帝の声が。「母上さまー朕が悪うございましたー。」その頬に涙の跡などひとつも残っておらず手には夏の暑さを和らげる爽やかな梅ジュース。仲達の説得に涙を流していたのも全て芝居、陛下は最初から郭照を殺す気だった…!仲達は怒りに肩を震わせながら階段を一歩一歩降りていく…。
魏帝は約束通り郭照を皇太后として盛大に弔った。葬儀では実母の甄氏を思い描きながら涙を流す。それは哀しみの涙かそれとも喜びの涙か…。その時、陳群が死んだとの報せ。(注:帝の行為を死をもって批判した。)
さて、"彼"をどうしたらいい。長安へ戻せば兵馬を集め反逆ののろしをあげるやもしれぬ、かといって都に留めて置けば彼を慕う朝臣や門下生らが集うだろう。我が魏国にあの老馬をおいておける場所はない…。
仲達は陳群の墓へやってきて、長年の盟友の死を悼む。先帝に早くから仕えていた仲間達は皆いなくなってしまった。そして陳群はいつも仲達の味方で、彼なしにはこの魏国の新制度は成し得なかった…。
そこへ汲布がやってきた。仲達に呼び出されたのだ。仲達は汲布に向かって膝をつく。実は折り入ってお願いがある、これは関わる者全ての命を逼ることかもしれない…。
一か月後、仲達は高齢を理由に引退したいと申し出るが魏帝は引き留め、さらに遼東を支配する公孫淵に帰順を促したが断られたため征伐せよと命じる。仲達は十か月で制圧して戻って来ると答える。十か月で足りるのかと魏帝は尋ねるが、仲達は自分の寿命がどうせあと一年もないと答えるのだった。
仲達は西院の柏氏の元を訪れる。柏氏は仲達が遼東征伐に出されると聞いて陛下が燕王の手で仲達を潰そうとしているのだと出征を反対するが、仲達は彼女の琴を弾きながら言う…この曲はかつて西城で孔明が奏でていた曲、わたしは孔明が羨ましかった、わたしは所詮他人の刀であったが彼は刀を振るう側だった。もし武器を溶かして鍬を作る(ような平和な世の中にする)ならば、まず平和を勝ち取るための武器が必要だ…。
数か月後、司馬懿が公孫淵を倒し遼東を平定したとの報せ。十か月どころかたった数か月で制圧してしまうとは、また彼の名声と功が上がっただけだ。よくも…どれだけ"良い臣下"なんだお前は!魏帝は悔しさのあまり高笑いし、そして倒れてしまった。
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郭照が死んだ以上、曹叡に存在意義はないからなぁ、彼の退場も間近であろう…。ただ辟邪には、ぜひ最後まで頑張っていただきたい。
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