まだ幼い太子の補佐に帝位に近い親族をつけるのは帝位簒奪を図る可能性が高まり危険だ。曹爽と曹宇を互いに牽制させればよいのだが、となると司馬懿を用いざるを得ない。辟邪は自分が司馬懿を呼び戻すと言う。もし彼に野心があれば応じまい、その時は全国の王を召集し彼を討つ。もし彼が帰ってきたら…どうするかは陛下がお決めになってください、と。
魏帝が重病ですぐに戻ってこいとの報せが仲達の元に届く。兵を連れて戻れば謀叛を疑われ単身駆けつければ俎上の魚だ。しかし出向かなければやはり謀叛を疑われる。仲達はやはり単身戻ることを選ぶ。
魏帝は司馬懿が戻るのをまだかまだかと待っていた。部屋の外には曹爽が兵を忍ばせ、魏帝の合図があればすぐさま襲い掛かり司馬懿を討つ!
ようやく仲達が参内すると、魏帝はすっかり弱っていて何を喋っているのかもよく聞こえない。仲達はとんちんかんな受け答えをして辟邪に睨まれる。魏帝がもっと近くへ来いと手をあげたのを勘違いした辟邪が合図を出してしまい、早まった兵士が一人部屋に踏み込んでしまった。仲達は驚愕し急ぎ魏帝の膝元へと逃げる。兵士は気まずそうに出て行った。やはり命を取られると蒼白になる仲達、しかし魏帝は彼の肩に手を置き言う。曹爽を大将軍に、司馬懿を太尉に任じ、両人に曹芳太子の補佐を任せる、と。
魏帝は司馬懿に立って後ろを向けと言う。仲達が言われた通りにすると魏帝はゆっくりと彼の背中に向かって手を挙げる。今度こそ合図だと思い曹爽が兵を呼ぶ。武装した兵が一斉に駆けつけるが仲達は大声で咆哮し皆その迫力に怖気づく。と、魏帝は下がれと命じる。兵士らは退室していった。魏帝はゆっくりと両手を仲達の肩におくとそのまま寄りかかる。あの時を思い出すと言って。あの時、母が殺され雨の中私を背負って郭照の元へと連れて行った時を。あの時お前は魏国の将来を背負っていた、今またお前の背中に太子を、魏国の将来を託す…さあ、母上の所へ背負って戻ってくれ。
仲達は甄氏に会いに行こうと言い魏帝を背負い、ゆっくり歩いていく。その途中で魏帝はこと切れた。享年36歳であった。
幼い太子が即位し曹爽と司馬懿が補臣となった。曹爽は敢えてへりくだって司馬懿にお任せするとへつらって見せるが仲達もこんなおいぼれより若者に任せた方が安心だと言って互いに謙遜し譲り合う。
前例に倣って先帝の妃嬪は後宮から出されることになったのだが、蒹葭は身寄りがなく追い出されたら路頭に迷うと宦官に泣きつくが、宦官はこれが規則だと突っぱねる。その現場に通りがかった曹爽と仲達。実は曹爽は以前蒹葭に会ったことがありひと目惚れしたのだった。曹爽は乱暴な扱いをするなと宦官らを叱りつけ、蒹葭に私が面倒みる先を手配してやると言う。その様子を見て仲達は密かに眉を動かす。
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ここにコメディぶっこむ必要あるかなぁと疑問を感じざるを得ないけど。逆に何か意味があるのかと疑ってしまう。
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