「虎嘯龍吟」第二十二集

諸葛亮は兵士らの前に立ち、必ずや中原を取り戻すと発破をかける。蜀陣営から「中原を取り戻すぞ!」と歓声が起こるのを聞いて魏陣営に動揺が走る、ついに諸葛亮が動くか…。


雲を眼下に見下ろす場所で、仲達は諸葛亮と碁を打っていた。だが仲達は次手を打たない。諸葛亮相手に正面切って戦い勝てるわけがない、わたしは打たない…。

諸葛亮は言う、私は先帝様のご遺志のために半日たりとも待てないのだ…。 仲達は返す、東呉軍も敗退し蜀軍も糧食が尽きる頃、焦っているのだろう。天意は劉氏を見限ったのだ、今更滅びた王朝を復刻しようとして何になる…。 諸葛亮は言う、私は漢王朝を復刻させたいのではない、民に平和を、安心して暮らせる世の中を与えたいのだ。我が蜀は小さくこのままでは魏国に侵略されよう、抗うためには戦うしかないのだ、守るために攻めるのだ。さあ、次の手を打て…。

しかし仲達は次手を打たない。次手を打つことは将士らの命を捧げる事、平和のためにだと?あべこべじゃないか!

と、諸葛亮は碁石を手放す。では申し訳ないが、この一局はお前一人で片づけてくれ。この結末が、お前と私が夢見た平和に行きつくのか、お前自身の目で見届けるのだ…そう言って立ち上がる。

仲達は訊く、「依依東望(最も望むこと)」の望は、一体何なのだ…?

依依東望の望、それは…諸葛亮はおもむろに仲達の胸倉をつかみ揺り始める…!

とそこで目が覚めた。春華が彼を揺り起こしたのだ。春華は蜀使が持ってきたあの女物の着物を見て仲達が女を隠してると激怒する。仲達はいきさつを話し、勝つためには女物の着物を着るくらいの恥など恥としないと諸葛亮に見せつけてやったのだと涙ぐむ。諸葛亮はあの手この手で挑発し戦に誘い出そうとしてきた、わたしには分かっている、彼の命がもうわずかしかないことを。だが今朝の蜀軍の練兵の歓声…わたしの読みは間違っていたのか?だとすれば彼は死なず、わたしが死ぬのだ…。


諸葛亮の軍営では、小姓に両脇抱えられふらふらと歩く丞相の姿に将士らはみな双眸に涙を湛える。諸葛亮は自分の死後安全に退却するための策を立てておいたと告げる。そして姜維を後継に指名し、司馬懿がいる間は魏への侵攻は避けるようにと言い残す。

諸葛亮は陣中にて54歳でこの世を去った。


期限まであと三日。また聖旨が届く。ところがそこには司馬懿に引き続き大都督としての使命を果たすようにと、また作戦通り何人たりとも出陣してはならぬと書いてあった。辟邪は目を疑う。

その時、蜀軍が撤退しているとの報せ。きっと諸葛亮が死んだのだ、ならば勝てる!将士らは次々と追撃の名乗りを上げる。だが、今しがた出陣するなとの聖旨が読み上げられた所…。仲達は子元に蜀軍の軍営跡を探らせる。子元は慎重に蜀軍本陣に近づくが、果たして人っ子一人残っていなかった。


しかし仲達は撤退する蜀軍を追撃に出る。霧深い谷で蜀軍に追いつこうというその時、突然矢が降ってきた。伏兵か!どこに射手がいるのかと目をこらす。すると前方の山上に姜維の兵が姿を現す。見れば周囲の山々にもびっしりと蜀兵が構えていた。そして姜維の隣には、扇を手にした諸葛亮!?

「かかったな司馬懿!!」姜維が吼える。蜀兵らが一斉に歓声を挙げる。仲達は急ぎ撤退を命じた。

扇を手にしていたのは諸葛亮の影武者だ。彼の策によって蜀軍は安全に撤退することができた、彼は最期まで偉大であった…姜維は扇を胸に抱き涙する。

 * * * * * 

はぅぅ・・・泣いちゃう。丁度半分か、 これから先は、さぞかし殺伐とした内容になるんだろうな…。

Chaoyang's Ownd

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