退却した仲達はしかし、息子たちに諸葛亮はやはり死んだと告げる。そうでなければ我々は生きて逃れることなどできなかったはずだ。仲達は笑う、死んだ諸葛亮が生きているこのわたしを逃げ帰らせるとはな、きっと歴史に残る事だろう…。
仲達は蜀軍営跡へ。諸葛亮がいなくなればもう何も心配いらないねと言う子上に仲達は首を振る。これでまた"鳥がいなくなった時の弓"に近づいただけ、陛下は我々をさっさと排除しようとするかもしれない…。
陣内には雨水を貯める設備があった。その水は静かで清らかだ。仲達はその水を手で汲むと、亡き諸葛孔明に、酒の代わりに献じる。急に風が強くなり地面に積もっていた落ち葉を吹き飛ばす。その下から碁盤を描いた岩が出てきた。それは夢で見た碁盤にそっくりだった…。
魏陣営では勝利の祝宴が開かれる。
その祝宴で、辟邪は陛下から何を褒美に欲しいか聞いて来いと言われたと仲達に告げる。仲達は国の危機を守るのは臣下の務めであり褒美などいらないと答える。さらに兵符を差し出し、国職を辞して田舎で暮らしたいと申し出た。一体どこへ行こうというのだ、辟邪の問いに、仲達はこのまま長安に残り田畑を起こし水路を作って戦で荒れた地を復興し、静かに療養したいと答える。
かつて主君を助け宿敵を討ったにも関わらず最期は主君に殺された韓信のように、陛下はわたしを害するかもしれない…そのため長安に残るのだ。ただ一家全員が戻らなければ余計に陛下の疑心を招く。仲達は春華と子元を洛陽へと帰す。彼女らは人質となる、だが同時に郭太后を守るためでもあった。
そして一年。大規模な飢饉が起こっているにも関わらず魏帝は道楽にふけり新しい楼閣を建設すると言いだした。朝臣の諫言を聞くどころか彼らを連れ出して土木工事を手伝わせる始末だ。弱り果てた陳群は郭太后に泣きつく。一方長安の仲達はかき集められるだけの食糧をかき集めて洛陽へ移送する準備をしていた。
郭太后は遊び惚ける魏帝の元へ行き先帝の志を忘れてしまったのかと問うが、魏帝は天下は自分のものであってお前のものではないと突きつけるのだった。 病に冒されていた魏帝の一人娘が治療の甲斐なく亡くなった。魏帝は錯乱し医師をその場で刺殺する。父も母も娘も、家族はみな朕を置いて行ってしまう…みんなあの女のせいだ!あの女を、あの女を殺してやる…!
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孔明ロスを引きずりながら物語は新たな局面へ。ここからが本番だと信じたい。
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