仲達は対岸の蜀陣に向かって、かつて諸葛亮が出征の折に蜀帝に献じた出帥表を読んで揶揄する。(注:女の着物を着て諸葛亮のモノマネをしているわけである。)
諸葛亮はそれを見て悔しさの涙を湛える。仲達に対する悔しさではない、先帝への誓いを未だ成せない自分への悔しさだ。諸葛亮は血痰を吐き倒れる。
戻って来た使者は仲達が諸葛亮が不眠不休で仕事していると聞いてろくに食べもしてないのなら長くはないだろうと言っていたと伝える。傍らの姜維、楊儀は憤慨するが、諸葛亮はさすが私のことをよくわかっていると呟く。なおも休もうとしない諸葛亮に姜維らはどうか少しは寝てほしいと請願する。
先帝に請われて故郷を出たのが27歳の頃、天下統一して平和になれば故郷へ帰ってまた以前と同じ暮らしに戻ろうと思っていた、まさか天下統一がこんなにも困難なことであったとは、あの頃の自分は知らなかった…諸葛亮は地図を眺めながら感慨にふける。
仲達の元に辟邪がやってきた。魏帝は東呉の軍勢を押し返した。そして仲達には予定通り9月初めには戻って来るのを待っていると念押しの聖旨を届けたのだ。もし戻って来なければ大都督の位を曹爽に移すと…。
辟邪は曹爽の軍をこちらへ向かわせているので、さっさと諸葛亮と戦わないと功を全部とられてしまいますよとけしかけるが、仲達は将士らの命を無駄に使うことはできないと答える。期限に間に合わなくても、曹爽に功を取られても、その時は天意だと思って諦める、と。
仲達が軍幕に戻ると、そこには妻の春華の姿があった。春華は仲達が我が子を痛めつけたと怒り、子上は死んだと言う。仲達は仰天するが、それは単に春華の嫌がらせの嘘であった。春華は聖旨を見てどうするつもりなのかと聞く。期限までは十日ばかりしかない。だが仲達はこの十日で必ず大きな決戦の日を迎え、そして必ず勝って帰ると言うのだった。
魏陣営に魏宮の宦官が訪問したという報せに、諸葛亮は魏帝が司馬懿に決戦を促したのだと知るが、おそらく司馬懿は打って出てこまい、十日も待てば彼は罰せられることだろう。噂では彼の代わりに若い曹爽が軍権を得ることになりそうだ、そうなれば我が蜀軍には有利。だがそこへ楊儀が駆けこんできた。東呉軍は敗北し完全に撤退したと…。天は我を見捨てたもうか、諸葛亮は倒れ込む。
期限は十日しかない、仲達の軍営には次々と将士が現れ出陣を要請する。あまりのしつこさに仲達は声を荒げる「よおし、我ら魏軍はこのまま黙ってるわけにはいかない!陛下に上奏文を書くぞ!」そして皆の前で文を書き始めた。一体何を書くのか問うと、蜀軍と決戦する許しを請うのだと。いや既に十日以内に決めろと言われているのに?すると仲達は言う「陛下がこの十日以内に心変わりするかもしれないだろ!だから絶対戦えるように前もってお願いしておくんだよっ!」ばかばかしい…将士らは諦めて出て行った。
諸葛亮の体は随分弱ってしまっていた。それでも病だと悟らせないため操練の場へ姿を現す。涙ぐむ姜維に、諸葛亮は他の将士らに涙を見せてはならないと諭す。
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焦らすなー。
でもこのままだと孔明先生数話以内にご退場あそばされそう。
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