「天盛長歌」第二十九集

残る皇子のうち第十皇子は若すぎる、魏王は母親の身分が低いし長年都を離れていて内政に疎いだろう、楚王は母が廃妃されてるうえに今までに散々やらかしている、となれば燕王が後継であることは疑いようがないと彭沛はほくそ笑む。だが燕王は浮かれる彭沛に冷ややかな視線を返す。今回の件ではっきりしたのは父帝が常家を排除しようとしている事だ。自分が後継になるために常家との縁は、もはや頼れる勢力ではなく足を引っ張る障害物でしかないのだ。あの金の箱に収められている書に自分の名が記されているならば、一刻も早く常遠を抹殺しよう…。


策の失敗のショックからようやく立ち直って来た寧弈は辛子硯にもっと気の合う仲間がほしいなぁと冗談で愚痴る。辛子硯は笑って、そこまでぴったり気が合うのは妻くらいだし、そんなに言うのなら秋玉落との結婚話を素直に受けておればよかったのにと返す。

寧弈が魏知をもはや手駒の一つではなく女性として愛してしまっていることは分かっていたが、しかし彼女は顧衡の子、真相を知れば寧弈を殺しかねない間柄だ。何か手を打たないと…辛子硯は意を決し、皇帝に面会に行く。だが皇帝は辛子硯が口を開く前に光禄大夫に任命すると告げた。突然の昇進に唖然とする。が、大切な事を頼まなければ…。辛子硯は自分は書物の執筆に専念したいので青溟書院の仕事を別の者に任せたいといって無双国士である魏知を推薦した。皇帝は魏知を己の計略に利用する気だろうと皮肉るが、辛子硯は平然として青溟書院を天下一の学院にして天盛帝国の国益に貢献する私の計略に無双国士殿は絶対欠かせないのだと主張する。皇帝はまぁ何をするつもりなのか見てやろうと答える。

皇帝に呼び出された魏知は青溟書院に赴任して辛子硯の補佐をしてくれと言われた。辛子硯!?あいつの補佐!?魏知はあれこれ言い訳をして逃げようとするが、皇帝が二階級昇進の司業の位と令牌も授けるからとニコニコして言うのでやむなく承諾した。


青溟書院では院首が来ないのをいいことに貴族のどら息子らが賭け事に興じている。やって来た魏知は彼らを叱るどころか自ら輪に入っていき、賭けを主導していた姚丞相の息子と勝負して大勝ちして見せる。姚公子は腹を立て今度は月杖(ホッケー)で勝負だと言い出した。しかしここでも魏知が大勝ちし、姚公子ら一同は負けを認める。だが魏知は彼らを罰することはせず一人一人が自ら考え容易に他人に流されないことが肝要だと諭し、学生らは皆心服して拝礼した。


皇帝は常遠に閔海で思い上がった真似をするなよと言外に圧力をかけつつも彼を帰国させる。そして楚王を呼び出し、既に燕王の一派が後継者の座を確実にものにするために奏書を出してきていると見せた。金の箱に入れてある後継者の名を公開すれば、書かれた者は命を狙われることとなろう。だが楚王はこういう考え方もできると言う、書かれている名の者は後継者であると同時に父上の剣である、と。後継者であることが確約されれば恐れることなく他人を粛清できるのだから!

すると皇帝は楚王に囁いた「もし金の箱の中の名が寧弈だと言ったら?」


父帝がああ言ったのは本気で自分を後継者にするわけではなく自分に邪魔者を排除させようという腹だ、父にとって自分は万一狙われて死んでも構わないただの剣、心を持たない物と一緒なのだ…!荒れる寧弈に、辛子硯は皇帝という位に就く者は元々情など持たないものだと諭す。だが寧弈は激高し、もしお前に俺の剣になれ(※命を捨てて攻撃することを意味する)と言ったらどうすると突きつける。辛子硯は、正しい事を成すためなら自分の命を捨てる事を無意味だとは思わない、私は「心ある剣」になりましょうと答えた。


寧弈は韶寧公主の元に居る宦官にこっそり命じて魏知が彼女から貰ったあのあざが出る薬を菓子に混ぜて公主に食べさせた。韶寧公主はかつて魏知が言っていた言葉…宮殿では誰が敵で誰が味方なのかわからないから用心した方がいいという言葉を思い出す。公主は魏知に相談するため青溟書院へ。それを知った寧弈も青溟書院へ向かう。魏知は先にやって来ていた姚丞相と話していたため公主は座って待っていると、寧弈がやって来て酒を飲みに行こうと強引に魏知を連れ去って行ってしまった。

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 ちょ・・・この回難しすぎて一通り見るのに5時間もかかった。

Chaoyang's Ownd

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