寧弈は占壁に会うが、やはり母を死地へと追いやった原因の男を前に怒りが噴出する。占壁は彼が本当の楚王で自分は燕王に騙されたことを知るが、怒りの楚王に自分のせいで雅楽が殺されたことを認めて詫び、この命をとられても仕方ないと跪く。雅楽は世界で最も美しい愛する女性だった、笑顔の素敵な人だった…涙を流す占壁。
母はこの彼を忘れられず、たった八歳だった自分を捨てて飛び出していったのだ、なぜ母は…寧弈は悲しみを堪えられず部屋を出る。そして何人たりともここに近づけるなと命じた。
燕王は寧斎を呼び、陳紹の一件では利用するような真似をして済まなかったと陳謝する。そして楚王の誤解を解くため三人で会って話し合おうではないかと提じた。
寧斎は楚王府へ赴き、燕王が魏知の家に集って陛下から賜った酒を飲もうと誘っていると伝える。寧弈は二兄が何か企んでいると知るが、寧斎も兄の誘いを断るわけにもいかないとのだと言う。
魏知が秋府から戻って来ると燕懐石から燕王が突然やってきて楚王と第七皇子を呼んでここで宴会をすると言っていると知らされた。燕王あるいは楚王が何か企んでいるに違いない…ともかく魏知は皇子らには中庭で待ってもらい急ぎ宴会の準備を整える。
燕王が乾杯して始めようとするが寧弈は杯を空けず目的は何だと問う。寧斎は兄弟の親睦を深めるためだと愛想笑いをするが寧弈はお前の所の最も腕のいい射手を貸してくれと言い寧斎は凍り付く。その気まずい雰囲気に魏知はゲームをしようと提じる。
宴がお開きになりゲームですっかり酔った楚王を別室で介抱して寝かせ戻ろうとすると、部屋にはなぜか母と弟が来ていた。そして韶寧公主が現れる。彼女が秋尚奇に頼んで二人を連れて来たと言うのだ。公主は魏知の手を引き、楚王にこれを飲ませろと薬を渡す。母と弟を人質にとり自分に楚王を毒殺させる気か…!だが公主は殺すわけじゃない、ちょっとびっくりさせるだけだと言って、そんな大したことない薬だと自ら一粒飲んでみせた。
楚王の元へ戻ると彼は酔い覚ましを作って来てくれと言う。魏知は酔い覚ましの湯を作り韶寧公主の見ている前でもらった薬を入れて溶いた。公主は満足げに微笑む。
魏知の様子が先程から妙だと気づいていた寧弈は酔い覚ましの茶碗に手をかける、と魏知はやはり元気そうなので必要ないといって下げようとした。だが寧弈は茶碗を奪うようにして手に取ると、「毒が入ってるのかもな」と言い彼女の表情をうかがいなから飲み干した。
皇帝は趙淵に金獅族使者・占壁を宮殿に連れて来て審問せよと命じる。彼なら雅楽の双生虫の呪いを解く方法を知っているかもしれない。しかし皇帝が呪いをかけられているなど噂でも知られてはならない、そこで雅楽が嫉妬心から常貴妃に双生虫の呪いをかけたことにしてその解呪方法を聞き出すことにした。
皇帝の命で金羽衛が占壁を訪ねて来たと知った寧弈は何を話したのかと問う。占壁は双生虫の話を母親から聞いたことはあるかと尋ねる。雅楽は大悦の日落族の巫女だった。日落族の巫女は自ら育てた一対の虫を使って「双生虫の術」を使うことができた。この虫を飲まされた二人の人間は同じ時に同じ病にかかり同じ時に死ぬ、同生共死の呪いがかけられると。皇帝から、雅楽が常貴妃にかけたというその術の解き方を訊かれたのだが日落族の巫女の秘術なので自分も知らないのだと占壁は話す。寧弈はピンと来た…父帝が自分と同じ時に同じ病にかかっている、母が双生虫の術をかけたのは父帝と自分だ。
楚王が去った後彼からの差し入れの酒を飲んでいた占壁だが、隣の牢の男が食い物を分けてくれと言うので看守に渡した。だがその看守は彭沛の息がかかっていた。看守はこっそり食べ物に毒をまぜて男に渡した。食べた男は口から血を吐いて死んだ。
そして占壁の前に燕王が現れた。占壁は毒を盛ったと無実の罪を着せて殺すつもりなら殺すがいいと毅然と言い放つが、燕王はお前は生きていることで役に立つのだとニヤリと笑う。お前のおかげで雅楽を排することができた事も感謝してると言われ占壁は怒りに震える。燕王はこれは楚王を殺すための策で、全て準備は整い後は父帝が彼を殺すよう命じるのを待つだけだと告げる。
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謎だらけ(伏線、ミスリード)の回。次回見事な解決篇となるのか…!?
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