「天盛長歌」第二十三集

魏知の手の中には羊毛の香袋があった。それは先日寧弈が助けに来てくれた時に手にしたものだった。魏知は大悦と友好関係を築くために婚姻関係を結び、馬市の代わりとして閔海国燕家が所有する長毛羊を輸入して養殖しその羊毛等を売買する羊市を立てればよいと提じた。皇帝はその案を採用する。


閔海国燕家が天盛皇帝のお墨付きを与えられ燕懐石は魏知に感謝し拝礼するが魏知は水臭いといって笑う。

朝議で魏知が羊毛の香袋を手に陛下に羊市を提じたと聞いた辛子硯は寧弈が馬市の廃止を狙ってわざと彼女に渡したのだろうと見抜く。


寧斎は燕王に招かれ茶をご馳走になる。燕王は推薦してくれた魏知とは知り合いだったのかと問う。寧斎は全く名も聞いたことのない人だったと答え、感謝の意味もこめて彼を食事に招待するのでよかったら兄上も来てほしいと提じた。

当日、寧斎は魏知のボディガードだという顧南衣の姿を見て挨拶に行く。だが顧南衣はいつも通りそっけない。その間に燕王は魏知に会う。君のバックには閔海国燕家がついているのかと言われた魏知は常家の親族でもある燕王が自分を恨んでいるのかと思い青ざめるが、燕王は燕家も常家も同じ閔海国であり、今回の羊市の策は両国に繁栄をもたらすので大歓迎だとニッコリする。


閔海国公・常遠からの急報で、天盛から派遣されていた林任奇が海賊に殺されたという。常遠は海賊の首領の陳紹の似顔絵が書かれた指名手配書を送って来た。皇帝は怒り、即刻陳紹を捕らえるようにと伝えさせる。だが魏知にはこっそりと、この事件はそう単純なものではないと仄めかすのだった。


彭沛は燕王に手配書を見せる。この陳紹というのは海賊とされているが林任奇が集めた常遠の悪事の証拠を持って逃げている男なのだ。それを常遠は海賊討伐の名目で口封じしようとしているのだ。一刻も早く発見し殺さなければ常家が危うい。


彭沛が官兵を集め平門へ向かう様子だとの報告。彭沛は陳紹の消息を掴んだようだ、寧弈は寧澄に衛兵を率いて追い陳紹を保護するよう命じる。

都へたどり着いた陳紹ら一行は警戒しながら宿をとるが、どこから知れたのか官兵がやってきた。皆は陳紹をかばって戦う。そこへ寧弈が送り込んだ一隊が駆け付け戦いに割って入った。


翌朝、各朝臣の門に陳紹のサインの入った文が挟み込まれていた。そこには常遠の悪事の証拠を握っているので罪に問わないなら証拠を差し出そうと書かれていた。朝議でこの件が取り沙汰され、燕王はこの文が陳紹の名を騙ったいたずらかもしれないと言うが、文は丞相府にまで届いており楚王は冗談にしては度が過ぎると言う。皇帝から意見を求められた寧斎は咳き込みながら進み出るが突然倒れてしまった。結局皇帝はこの件を魏知と彭沛に任せた。魏知は燕王と彭沛にどうすればいいだろうかと尋ねると、燕王は文に書かれてある指示通りに赴き陳紹をおびき出して捕えようと言う。


皇帝はやはりこの機に常家を排除しようとしている、だが朝臣を裁くべき御史が現在空席となっており、だからこそ刑部尚書の彭沛の思うがままになっているのだ。寧弈は自分が空席になっている御史に立候補しようと言うが辛子硯は猛反対する。御史に就くということは後継者の権利を手放す事を意味するからだ。寧弈は辛子硯の手をとり世界地図を指し示す。我が天盛が世界を統一し平和をもたらすためにも常家の排除は必須条件なのだ、常家を取り除かなければ天盛という国は存続していけるかもわからない…。しかし辛子硯はもっと長期的な策が必要で、あなたの夢を叶えたいと思うのなら早まって御史になるのは絶対にやめてくれと念を押す。寧弈は「俺の夢」ではなく「俺たちの夢」だろうとニヤリと笑う。


「酉の刻に西市の旗の下、赤い服を来て免罪の聖旨を持ってこい」…その酉の刻。主の命令で陳紹を守るため西市を張っていた寧澄は市民に紛れて暗殺者らしい男が幾人もうろついているのを確認した。やはり彭沛は口封じをするつもりだ。 近くで燕王、寧斎、辛子硯が集って茶を飲んでいたがそこへ寧弈がやってくる。辛子硯は彼に席を譲り外を眺めていたが、赤い服の人物が現れたのを目にする。それは魏知だ。燕王は彼が陛下の命令に忠実に、危険を顧みず陳紹に接触するつもりだろうと言う。

赤い服の魏知の元に傘を被った一人の男が近づいた。「まず聖旨を見せろ。」男は言う。お前が陳紹なのかと問うが、その時飛来した矢が男の胸をまっすぐ射抜いた。場は騒然とする。

寧弈はすぐさま射手がいた建物へ駆けあがるが犯人の姿は既にない。降りようとした時、下階から上がってこようとする傘を被った怪しい男と目が合った。寧弈は男を追いかけるが見失う。

間もなく彭沛が兵を率いて現場にやってきた。魏知は矢の軸の特徴的なその模様を目に焼き付ける。やってきた燕王に彭沛は青ざめ手配書を見せ声を潜めて言う「これは陳紹ではない、別人だ…。」実は陳紹の弟分なのだった。

 * * * * * 

えらい難しい回だった。

楚王はキャラ的にすごい好きなんだけど客観的に見てやっぱり悪いやっちゃなー。まぁ最後の最後に辛子硯に騙されてたってセンもあるかもだけどー。もし燕王の目線で物語描いたら完全なる悪役。

Chaoyang's Ownd

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