皇帝が青溟書院へやってきた。このために特別なテストが三問用意され、皇帝の前でそれを全て解き明かした者には無双国士の称号が与えられるのだ。朝臣の子息が次々とこのテストに挑むが、よくて1問しか解けず皆恥じ入って出ていく。皇帝は呆れて帰ると言い出し、焦った太子は大声で辛子硯に日頃の指導がなってないと叱るふりをして「どんな手を使っても完答させろといったろう!」と囁くが、彼はちゃんと準備してると囁き返す。
辛子硯は皇帝の前に平伏し、ぜひテストを受けさせたい優秀な生徒がいるが、顔が(病気で)醜く、連れて来てもよいかどうかと許しを請う。楚王は陛下を(その醜い顔で)驚かせることは心身によくないと反対するが、太子は見栄えのせいで有能な才を逸する道理はないと反論する。辛子硯が顔を覆って来させましょうと提じ、怒った楚王は太子を睨みつけ「あとで後悔するなよ!」と吐きすてた。結局その生徒を呼ぶことになり太子は勝ち誇った顔で楚王を見るが、なぜか楚王もニヤリと笑い返す。その顔に太子は一抹の不安を覚える。
皇帝の前に傘で顔を覆った生徒がやってきた。その生徒は二問目まですらすら解いてみせ、外で待つ学生や朝臣らはどよめく。何のことはない、辛子硯が事前に問題と解答を教えていたのだ。だが皇帝は準備されていた三問目を取り下げて自ら国の在り方、政治道について問題を出した。寧弈は青くなるが辛子硯は平然としている。寧弈の心配をよそに生徒はまたすらすらと答えた。皇帝は満足げに無双国士の名にふさわしい人物だと褒め称える。そして顔を見せてみろと命じた。傘を外したその生徒はもちろん魏知であった。太子は目を見開く…「後悔するなよ!」と吐きすてたあの顔を思い出し楚王と辛子硯を睨みつける。
魏知はある人物に命を狙われているため顔を隠していたと申し出る。「陛下を騙して血浮屠を…」そこまで言った瞬間、暗殺者の集団が乗り込み襲い掛かって来た!その中にはあの血浮屠の老人の姿もある。楚王は老人の前に立ちふさがるが老人は石弓を皇帝に向けて撃つ。それは外れて衛兵に当たった。楚王は老人を制止しようとするが腕を切り付けられ跳ね飛ばされた。老人は猛然と上座へ向かう。太子がその前に立ちふさがる。数合打ち合うが太子もまた跳ね飛ばされた。奴はまさか本気で父帝を殺す気か!? 老人はさらに衛兵をなぎ倒しついに皇帝に剣を突きつける…!そこへ顧南衣が現れ老人を蹴り飛ばし間一髪で皇帝を救った。魏知は老人に駆け寄り、なぜこんな馬鹿な真似をしたのかと泣きながら問う。だがその彼を後ろから楚王が一刺しにした…。
暗殺者らは金羽衛によって制圧された。 顧衍は皇帝に、暗殺者らを厳しく取り調べたところ血浮屠の残党だったと報告する。太子が彼らを青溟書院で密かに養っていたという事実を。皇帝は怒髪天を突き太子に向かって書を投げ散らす。太子はこれは陰謀だと、全て楚王の仕業だとあがくが、楚王は青溟書院に血浮屠がいたことは魏知だけでなく韶寧公主も目撃しているはずで彼女が証人になると提じる。皇帝は太子と楚王に自宅謹慎を命じ出て行った。
宗宸の元へ戻った顧南衣は事の次第を師匠に伝えた。宗宸は死んだ旧友のために酒を捧げる。実は彼の正体もまた血浮屠だったのだ。魏知が顧衡の子であることを知ったあの老人は宗宸に相談に来た、そして宗宸は魏知を救い仇を討つためには皇帝…寧世征を殺す事だと教えたのだった。だが成功する見込みは少ないとも分かっていた。
宗宸は顧南衣に引き続き魏知をしっかり護衛するようにと命じる。
丞相の姚英は魏知の出自を調べさせたところはっきりした情報が得られず怪しいと感じ、無双国士に封じるのは見送った方がいいと皇帝に進言する。どうも魏知は太子と楚王の争いにからんでおりどちらかが作りあげた偽の身分かもしれない。しかし皇帝は彼の才能は確かであり太子にも楚王にも渡さず自分が用いたいと言い魏知に無双国士の称号と宮廷学士の位を授けるよう指示する。さらに皇帝は顧衍を呼び、八年前の第三皇子の巫蠱案を再捜査せよと命じる。
青溟書院で魏知は姚英から無双国士の称号を授与された。とそこへ先の襲撃事件の捜査を任された秋尚奇がやってきて魏知は咄嗟に後ろを向く。しかし姚英から挨拶せよと促されて意を決して振り向き、「あっ叔父さん、お久しぶりです!」とニッコリする。秋尚奇は目を丸くしつつも甥の魏知として話を合わせる。
朝華殿の学士となった魏知には住まいが用意された。魏知は今や親友となった燕懐石に一緒に来ないかと誘う。
初任の日。魏知緊張しながら参内する。皇帝は魏知に志を問うが、魏知は青溟書院に入ったのは楚王への恩返しに過ぎなかったと話す。しかし楚王は血浮屠の残党を見つけた事を報告しても、太子に捕まった時も助けてくれなかったばかりか、自分の命を救ってくれた血浮屠の老人を容赦なく刺殺した…楚王に返すべき恩はもう返したつもりだと言う。魏知は自分が欲しいのは金でも名誉でもなく自由なのだと話す。そしてこの半年で思い知ったのは、権力が無ければ、弱い人間には生きる自由すら与えられないのだということ…。それを聞いて皇帝は笑い、わしには本心を語る自由すらないのだと言う。国一番の権力を持ったところで何一つ自由にはならないのだ、と。
その帰り、宮殿内で楚王と辛子硯に会った。辛子硯は楚王の気持ちもよく考えてやってほしいとだけ言ってその場を離れる。魏知は楚王に、はじめからあの血浮屠の老人を殺す気だったのかと突きつける。すると楚王はそうだと答えた。彼らは珠茵を殺した奴らだからと。
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宗夫子が今さら重要人物かよ!
演じる修慶はそこそこ有名な俳優さんらしくて「98版水滸伝」の花栄とか「洪武大案」の最初の方の事件の腹立つ甥っ子演ってた人なんだけど。
このドラマ、いかにもって美男美女ではないからどの人が重要な役柄なのかパッと見わからない所が、イイよなぁ!ミステリとしてはとてもイイ!
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