魏知はきっと血浮屠の居場所を知ってしまったために太子に攫われたのだ、どうしたら彼女を救える!?血相を変えて迫る寧弈に辛子硯はひとつの手駒のために全ての計画を台無しにすることはできないとシビアに突きつける。それもそうだ、彼女は手駒のひとつにすぎない、だが…寧弈の心には焦りと不安が渦巻く。
青溟書院の馬方の老人は密かに太子と会っていた。太子は青溟書院の管轄を離れる以上彼らを匿ってはおけない、うまく国外逃亡できるよう計らうと告げる。そしてあの魏知はさっさと消せ、と…。
馬場の倉庫に閉じ込められていた魏知と顧南衣の元へ、あの馬方の若者がやってきて鎖を外す。父が殺しに来るから早く逃げろと。顧南衣が眠りこけて起きないためそのまま藁で隠し、魏知は馬で逃げようとするが、そこへ馬方らが帰って来た。馬方の老人は立ちふさがる息子を叱りつけるが若者は動かない。そして身を挺して魏知をかばい身内の矢に倒れた。
青溟書院の血浮屠らが魏知を取り逃がしたと知り、太子は裏切る気かと激昂する。 常海は血浮屠らを率い魏知が駆けこむであろう蘭香院を包囲する。珠茵はその気配を察知し魏知を殴って気絶させ箪笥に押し込め鍵をかけた。
目を覚ました魏知は扉の隙間から珠茵が常海と対峙している様子を見た。珠茵は自分が八年前に謀殺された朱承勝の娘だと暴露し簪を手に襲い掛かる。だが取り押さえられ常海に刺殺された。その光景に魏知は必死に声を押し殺す。楚王一行が蘭香院に向かってきているとの報せで常海らは撤収していった。その場に残った血浮屠の老人は魏知が隠れている箪笥に目をやる…。
顧南衣は辛子硯に助け出され目を覚ますが、馬方の若者が助けに来たところまでしか記憶にない。
その頃、魏知はあの血浮屠の老人と共に馬場へと戻って来ていた。彼の死んだ息子の遺体の前で、魏知は太子が自分を殺すためにあなた達を利用しているに過ぎないと説く。そして利用し終わったら証拠隠滅に消すだろうと。しかし老人は、自分たちが生き長らえるためにはお前を殺す以外に道がないのだと静かに言う。魏知は覚悟を決め、自分が死んだ後遺体を母の元へ送ってほしいと頼む。だがその母の名を聞いて老人は血相を変えた。
珠茵の死に呆然とする寧弈。常海が彼女をいきなり刺殺するという暴挙に出たのは、もしや彼女の正体がばれたのではないかと辛子硯は心配する。と、後方から火事だとの声が。
馬場がすっかり消失し黒焦げの遺体が見つかった。残っていた簪と蘭香院の妓女らの証言から魏知の可能性が高かった。遺体を前に寧弈は言葉を失う。
楚王府へ戻って来た寧弈。だがそこには魏知がいた、生きていた! 血浮屠の老人は魏知の簪を息子の遺体に差し火を放ったのだった。珠茵もあの馬方の若者もみんな自分のせいで殺されたと泣きじゃくる魏知に、寧弈は全て自分のせいだと、しかし君が生きていてくれてよかったと抱きしめる。
落ち着いてきた魏知は楚王が血浮屠の存在を元に太子を倒そうとしているのだろうと問うが寧弈ははぐらかす。なら今すぐ顧南衣を連れて太子のイヌである辛子硯を殺しに行くと言い出したので寧弈は制止し、彼が仲間であり、真の目的は三兄・寧喬の仇討であることを魏知に明かす。あの事件で多くの者が無実の罪で犠牲となった、珠茵もその一人…彼らの仇を討つために我々は動いていると。魏知は彼らの勢力争いのために何の罪もない一般人が殺されることが二度とないよう誓えと要求し楚王も約束すると答えた。
太子は父帝に青溟書院を視察し有能な人材を探し当ててほしいと進言する。そしてその裏では血浮屠の老人に自分を襲わせる芝居をするよう計らう。捕まったらこう言うのだ、楚王の指図だと…。
老人が自室へ戻ろうとすると彼の前に顧衍が現れた。老人は彼を裏切り者と罵るが顧衍は今のあなたはどうなんだと突きつけ老人は手を下ろす。顧衍は言う、18年前血浮屠を裏切ったのは顧家の血を後世に残すため、そして今兄の子である魏知を生かすためには太子を殺すしか方法はない、明日あなたは楚王を暗殺すると見せかけて捕まり太子の悪事を暴いてくれ、と。
* * * * *
えーっ珠茵ちゃんなんて早まったことを!泣いちゃう!(;д;)
0コメント