珠茵は楚王が自分と同じく第三皇子の巫蠱事件によって人生が変わってしまったのだと言う。彼は表面上は平然としているが大きな苦しみを経験している、彼は他の皇子たちとは違う、真に信じられる人なのだと。しかし鳳知微は楚王には関わりたくないと断る。
太子が蘭香院の前にいるとの報せ。辛子硯が寧弈と一緒にいることが知られるとまずい、さらに鳳知微が見つかればもっとまずい。寧弈は寧澄に辛府へ行って奥方に辛子硯が蘭香院にいると伝えて来いと命じる。辛子硯の嫉妬深く凶暴な妻・大花がすぐに乗り込んできた。この状況では仕方ないとはいえ妻が恐ろしい辛子硯は、男装し"魏知"となった鳳知微に助けてくれと泣きつく。魏知は彼を二階の部屋の衣装箱の中に隠し、やって来た大花にはあんたみたいな美女なら蘭香院で大金稼げるなとおだてる。若い男に褒められて悪い気のしない大花は部屋を出て行った。辛子硯は命の恩人だと礼を言うが魏知はしっかり金を要求し、辛子硯は悪態をつきながら自分の印を渡した。大花はまだ一階で出て来いと声を張り上げている…魏知はそこの窓から飛び降りて逃げればいいと軽く言って去っていってしまった。ここは二階だぞ…しかし他に方法はないため辛子硯は意を決して飛び降りた。衛兵らが曲者だとすぐに取り囲む。大花が蘭香院に乗り込んでいくのを見て事情を察していた太子がやってきて苦笑して彼を助け起こした。
太子は辛子硯に相談があると言う。例の巫蠱の策を考えている、と。辛子硯は驚き常都督が許さないだろうと言うが、太子は常海の言いなりになって皇位を乗っ取られる気はないと言う。そして太子が本当に警戒しているのは趙王ではなく燕王だった。異母弟の燕王は知恵が回る、裏切るとすれば燕王だ…。辛子硯も血浮屠や哀帝の遺児の噂も燕州で起こったことなのに燕王は何一つ痛手を被っていないのは怪しい、漁夫の利を狙っているのではないかと焚き付けた。
魏知は恩師の宗夫子を訪ねる。秋明纓から彼女の正体を知らされていた宗夫子は事情を察し招き入れる。宗夫子から今の朝廷のパワーバランスの乱れを知った魏知。あの楚王が太子と常都督の力を押さえるために解放され戦っていると。宗夫子は太子か楚王どちらかの首が落ちなければこの事態は収拾しないだろうと告げる。 楚王が死ぬかもしれないと聞いて急に心配になった魏知は蘭香院へ戻り、珠茵に協力したいと申し出る。
皇帝は四人の皇子を呼びつけ、血浮屠の事件の進展を問う。寧弈は口ごもった様子を見せてまだ進展はないと答える。皇帝が声を荒げて再度問うと、寧弈は太子の顔を窺いながら、やはり進展はないと答えた。腹を立てた皇帝は彼を宮殿の外で跪かせた。
太子はその場で上奏したい旨があると言い出す。隣国の大悦との国境付近で盗賊が多発しており交易に影響が出そうだと。防犯のため葛鴻英に兵を率いさせ派遣すべきだと進言した。趙王本人は決して頭が切れるわけではない、参謀の葛鴻英を引き離してしまえば彼は太子に頼らざるを得なくなるだろう…そう辛子硯が助言したのだった。
魏知は蘭香院の給仕として働き始めた。 太子、燕王、趙王の三人が揃ってやってくる。太子らは楚王が父帝の怒りを買って跪かされているのをいい気味だと嗤う。魏知は給仕しながらやっぱり皇子なんて奴らは最低だと内心悪態をつく。
珠茵ら美しい妓女が接待を始める。するとどこからインコが飛んできて趙王の肩に停まり「太子殿下コンニチハ!」と喋った。趙王は相手を間違えているなと笑うが太子は表情をこわばらせ、趙王はインコに自分を太子だと教え込ませているのかねと問う。趙王は誤解だと必死に弁解し飛び去ったインコを捕まえに行く。 魏知は餌を使ってインコを呼び寄せ趙王に引き渡した。趙王は焦ったものの自分を太子と呼ぶかわいらしさからインコを放してやった。するとインコは中庭へと飛んでいき怪しげな仮面の男の手に停まった。そしてその男の隣にいたのは、「おや、趙王殿下ではありませんか」辛子硯だった。
辛子硯はこの仮面の男は知り合いの予言者だと紹介する。天の摂理を見極めた彼には未来が読めるのだと。さらにこのインコを神の鳥なのだと畏れて見せる。趙王は馬鹿馬鹿しいと笑う。そして先ほど自分を太子殿下と間違えて呼んでたと突っ込むと、辛子硯は真顔で本当ですかと問う。神の鳥が未来を喋ってしまったのかと。そして急に腹が痛くなったといって仮面の男をつれて去っていってしまった。
夜になり、泥酔した鳳皓が蘭香院に現れた。魏知は彼の前に姿を現し、鳳皓は姉が生きていた事を泣いて喜ぶ。玉華を殺したのは誰なのか、なぜ姉が犯人として追われなければならないのかと問うが、魏知は自分が犯人なのだと言い張る。そして母のためにも鳳家のためにも真面目に勉強して立派な人間になりなさいと稼いだ金を手渡す。
常海はまだ楚王が秋明纓と顧衡の関係を皇帝に言ってしまうのではないかと心配だが、太子は今日の彼の態度から自分に従う気になったのだと言い、"褒美の品"を届けさせる。
寧弈は一日中宮殿の前で跪いていた。東宮の侍従が太子からの贈りものだと言っていわくありげな指輪を持ってきた。夜も更け趙淵の勧めで皇帝はようやく彼を許す。趙淵は寧弈を助け起こすと、膝の痛みに効く薬を手渡してくれた。と、指輪を見てそれはさる仏門の高僧が身に着けていたという大変貴重なものだと言う。寧弈はどうせ貰い物なので心配してくれたお礼に指輪を譲るといって差し出した。
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なんと周到な罠!趙王は気の毒だけどキャラ的に最初に退場することは避けられないのだろう。
水戸黄門で言えばかげろうお銀、ルパン三世で言えば峰不二子な立ち位置の珠茵がかっこいいのう。
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