「天盛長歌」第八集

趙王は辛子硯がいかにも喜びそうな高級な硯を差し出し「あのような重大な秘密を知らせてくれた礼」だと言う。辛子硯はニヤリとして受け取る。趙王が人払いをしたため太子は慌ててその場を離れた。

席に戻った太子は先ほどの件については触らぬ神に祟りなし、黙殺しておいたほうが賢明だと勧める。寧弈はああよかったと安堵した様子を見せ、しかし思いついたように、血浮屠を探すより哀帝の遺児を発見して始末することが先かなぁと言う。「触らぬ神に祟りなしと言ったろう!」太子は思わず声を荒げる。


辛子硯が青溟書院へ戻ると太子が待っていた。趙王と酒を酌み交わしていた事を指摘し主を変えようという腹かと突きつけるが、辛子硯は心外だという顔をして、趙王と飲みに行ったのは彼が哀帝の遺児についての情報を得たという噂を聞きつけたからだと言う。そして彼がかなり重要な証拠を手に入れそれを皇帝に報告するつもりのようだと答える。

太子はその夜趙王の寝所を探らせ、枕の下に挟んであった書を見つけ盗み出した。それは玉華の告発状だった。哀帝の遺児が生きているわけがないと高をくくっていた常海もさすがにもしかしたらと思い始める。この書の内容を知っているのは誰なのか、それを把握するのは実に困難であった。誰が何を起こすかわからないうちは何も対処のしようはないと太子は書を焼き捨てる。


閉じ込められている鳳知微の元へやっと寧弈がやって来た。鳳知微は怒ってすぐに出て行こうとするが、寧弈が母と弟を救う前に出ていくのかと問い鳳知微は足を止める。そこへ秋府に秋明纓が戻って来たとの報せ。 寧弈は秋府を訪ね、挨拶と称して秋明纓と鳳皓の無事な姿を確認する。そしてわざと娘はどうしたと尋ねた。明纓は娘とは縁を切ったと言い放ち鳳皓は驚く。玉華を殺したのが娘の鳳知微で、あんな不孝者は我が子ではないと。楚王の従者に扮してついて来た鳳知微はその言葉に凍り付く。だがそれは弟を、鳳家の血を残していく鳳皓を生かすための母の苦肉の策だと悟る。ならば自分は消えよう…鳳知微はその名を捨て、魏知という名の男として生きることを決意する。

太子が秋明纓と鳳皓を秋府に帰したのは鳳知微をおびき寄せるため。彼女が戻ってきたら三人共々殺すよう秋府に大勢の見張りをつけていた。


蘭香院で次の手を考える寧弈、辛子硯、珠茵。珠茵は先日辛子硯が言っていた話…太子が実は血浮屠を匿って密かに練兵しているという可能性について思い当たる事を話す。彼女の父は寧喬と共に血浮屠が朝臣を暗殺した事件を追っていたのだ。寧弈は既に金羽衛で顧衍と共に過去血浮屠が起こした事件について洗い直したのだが、寧弈の予想通りその被害者は共通して太子に敵対する者、太子にとって邪魔な者であった。予想するに、寧喬は事件の捜査中に太子が血浮屠を隠していることを知ってしまい、そのために太子によって抹殺されたのではないか。血浮屠の存在を追うことは、寧喬と同じ結果になるかもしれない危険をはらんでいた。


鳳知微改め魏知は楚王府を去る。酒店で泥酔するが払う金がなく、飲食代として労働を課せられた。すると珠茵がやってきて彼女の酒代を支払ってくれた。と、二人の客が近づいてきて第三皇子の謀叛で落ちぶれた家の娘だとからかう。魏知はその二人の客に料理をぶちまけて珠茵の手を引いて逃げ出した。 珠茵は自分の父が八年前に謀反を企て呪術を弄したとされる第三皇子・寧喬の配下で、両親共に処刑されたことを告げる。剣を手に取り戦う事はできないが自分には自分のやり方で、必ず両親を死に追いやった黒幕を討つのだと魏知に告げるのだった。

太子は趙王を放っておけないと苛立ちを見せるが常海は趙王が裏切ったなどまだ信じられない。そこへ辛子硯がやってきたので本当に彼が哀帝の遺児についての証拠を持っていると本人から聞いたのかと尋ねた。すると辛子硯は自分を信じられないのかと唐突に怒りだしたので太子が誤解だとなだめる。辛子硯はいい方法があると言う。八年前の寧喬の事件をヒントに、趙王に罠を仕掛け太子を裏切る心が判明すれば皇帝に趙王が呪術を弄していると訴えればいいと。太子が「またあの巫蠱(※呪いで人を殺す事)の策を用いるのか、それは名案だ」と口にしたため常海はぎょっとして太子を睨みつける。常海は(当時の事件の真相を知らないはずの辛子硯の前で)謀反の罪をでっちあげるなど人道にもとると反対する。趙王は皇帝に気に入られているわけでもなく太子を脅かす要素は何一つない。太子と趙王の仲を裂こうとしている輩が便乗する恐れがあると。すると辛子硯はその通り趙王を援ける有能な黒幕がいるのかもなぁと発言する。太子の疑いの目は常海に向けられる。常海は趙王燕王の二人はずっと太子に忠実で先の事件でも手足となって働いたではないかと説くが、辛子硯は腐った手足を放っておけば体自体が蝕まれる、一刻も早く切り落とすべきだと説く。常海はいろいろおかしなことが起こるようになったのは楚王が出て来てからだと言う。太子は二人を制止し、辛子硯に巫蠱の策は二度と口にするなと告げた。


太子が策にかからなかったため苦々しい顔で蘭香院にやってきた辛子硯。珠茵の着物を着た鳳知微を見かけ呼び止めた。鳳知微は自分を新入りの妓女扱いしてからかう辛子硯を睨みつけ、女性に対して失礼極まりなくこれが学問のトップの姿とは嘆かわしいと言ってのける。面白がった辛子硯はこれから言うなぞなぞを解き明かせたら今までの無礼を詫びようと提じた。しかし鳳知微は彼の出したなぞなぞを完全に解き明かした上にそのなぞなぞを利用して彼をやり込めたので、辛子硯も降参して詫びた。その様子を見ていた寧弈は彼女もまた自分の有用な駒になりうるかもしれないと呟く。

珠茵は彼女の聡明さを見込んで自分たちを助けてほしいと頼むが、鳳知微は珠茵が楚王と何か関わりがあるのではと疑う。

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こっこの回は趙立新がグッジョブ!彼の魅力が最大限生かされてる。鳳知微とのコメディ部分も楽しいけどそれ以上に太子、常海との騙し合いが…!クセ強いなーほんま最高。常海がむしろ良い人に見えてくるからえらいこっちゃ。

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