魏王は皆の前で槍をしごいてみせるが途中でふらつき朝臣らは心配する。見事最後まで演じきったが、その直後倒れてしまった。
死期を悟った魏王は子建を呼ぶ。お前に国を継がせようと考えたのは誤りであった、そのためにお前の詩人としての人生を失わせることになったと謝り、自分が死んだら好きに生きよと言う。次に妃たちを呼ぶ。それぞれにいくばくかの土地を与えそこで作物を作り生きて行けと言う。
鄴城を護っている子桓はすぐには洛陽に来れない。やきもきする子丹を仲達が制止する。
魏王は朝臣らを呼ぶ。自分の葬儀は簡素に行え、百姓らの負担を増やさぬこと、一切の宝物を陪葬しないこと、自分の衣服は王后に与えよ、子桓と子建はこの土地を、誰の手にも渡さぬように…。そして魏王・曹操はこの世を去った。
曹操の葬儀はそのまま洛陽で行われた。丁儀は子建に指揮者不在の洛陽の軍を使って王位を乗っ取るべきだと言い出す。子桓が王位に就けば積年の恨みから殺されるに違いないとけしかけた。
仲達は葬儀長の賈逵に、子建の一派が反乱を起こす可能性があると告げる。また子文(※曹彰。曹操の次男で早くに後継争いから降りた。)も多くの兵を擁しており場合によってはクーデターを起こすやも。早い所王の棺を鄴城へ運び王の玉璽を子桓に渡さなければ。子桓が洛陽に来るのを待っていては遅い。賈逵は預けられていた玉璽を仲達に渡す。しかし仲達が洛陽を離れれば必ずや丁儀が動く、そのため妻の春華に鄴城へ走ってもらうことに。
明朝、子文が兵を率いて宮殿へ乗り込んできた。そして玉璽を出せと迫る。玉璽は太子のもの、そう言う賈逵や子丹の声に耳を貸さず、今朝方司馬懿の名で城を出た者がいるという報告を聞いて子文はいきなり剣を抜いて司馬懿の胸を貫いた。
子文の追っ手が春華に迫る。馬をやられた春華は凍りついた河に立ち、背負っていた荷物を放り投げ自ら氷を割りぬいて河へと沈んだ。兵士らは荷物を回収し戻って行った。
子文の制圧下に置かれた洛陽宮。丁儀は子文に亡き魏王が臨終の際にやはり子建に国を譲ろうとしていたと囁き、子建と亡き魏王のために子桓と戦ってほしいと要請する。そしてあの司馬懿と賈逵を殺してしまえば子桓を支える柱はなくなると唆す。
回収させた春華の荷物は玉璽ではなく大きな石が入っていただけだった。子文は司馬懿と賈逵を鞭打ち玉璽の在りかを吐かせようと鞭打つ。その酷い拷問を見るに耐えかねた子建が止めに入る。父が苦心して作り上げた魏国を我らが兄弟の争いで壊してしまうつもりなのですかと。あの袁紹が破れたのも息子らの後継争いによる内乱が元、その轍を踏むのですかと兄に問う。しかし子桓が王になれば我々を決して生かしてはおかない、子文は子建を黙らせるため兵士らに連行させた。
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えっと、子文の剣かなり刺さってるんですが司馬懿さん随分と簡単に助かってるんですね…。その上鞭打ちだなんて、普通死んでるよ…?
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