荀令君の元に魏王から夕食の差し入れが。しかし食盒(食事を入れて運ぶ箱)の中には何も入っていなかった。「もうお前を食わせる事はできぬ(お前に禄を与えることはできない、解雇する)」という意を悟った荀令君は官服を返還する用意をし、懐から小瓶を取り出した…。
翌朝、荀令君が服毒自殺したと聞いた仲達は愕然とする。子桓も今日の朝議が中止になった理由が荀令君の"病死"だと聞いてあまりに急なことだと驚く。
荀令君の自殺にはさすがの魏王もこたえた。棺に取りすがって涙を流す。
荀令君は生前記した書の殆どを焼き捨てていたが、魏王は残っていた書をかき集め、書に目を通し彼の意図がわかるものがあれば伝えよと楊修らに命じる。徹夜で書の仕分けをしていた楊修はその中に子桓から荀令君へ宛てたらしい書を発見しすぐに魏王へ報告する。それを見た魏王は激怒してすぐに子桓を呼びつけた。(※中身はどうやら魏王の悪口が書かれていたようだ…。)子桓はそんな書を書いた覚えはない、冤罪だと訴える。そして楊修をにらみつけるが、楊修はこの書は荀令君の書庫から魏王自ら取って来たものであり、しかも封がしてあったので偽造できるわけもないと答える。魏王は子桓を投獄。楊修はこの件を裁くのに通常の大理寺の人間では尻込みするであろうから西曹掾の丁儀が適任だと推薦する。
子桓の最大の庇護者である荀令君がいなくなったことで司馬防は早々に危機を察し、仲達ら家族にすぐに城を出て郷里へ逃げるよう指示する。だが仲達に逃げる気はなかった。たとえ逃げたとて楊修はどこまでも追って来るだろうから。
そこへ子桓が魏王への反逆罪で捕らえられたとの報せが。さらに尋問官が丁儀だと知り仲達は急いで汲布を呼びに遣り自らはある場所へと向かう。
鍾繇の息子・鍾会は、父が楊修の頭の回転の良さを褒めるのを聞いて、それは真に賢いとは言えないと言う。この乱世では自分の才能をもって出世しようと狙う者が多く彼もその波に乗った一人であろうが、争いを起こして自らの才を売り込めば必ず後で妬み嫉みと買う、真に賢い者は争わずして才能を認めさせることができるものだと論じ、鍾繇は感心する。鍾会はさらに言う、その賢人は目下三人しかいない。一人目は20年にわたって漢王室と魏王の関係を保ち続けた荀令君、二人目はわが父、そして三人目は子桓公子を背後で支える司馬懿だ。と、その司馬懿がやって来たとの報せ…。
仲達は子桓救出に大理寺を司る鍾繇にどうか力を貸してほしいと頭を下げるが、鍾繇は自分は荀令君のような君子でも勇者でもないので日和見させてくれとにべもない。
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そっか…前回荀令君がやたら恰好良かったのは最後の見せ場だったからか…。
しかしまぁ話の先がまったく読めない。主人公側が負けるわけないんだけどでも絶体絶命じゃね?これをどうひっくり返す…?
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