楊修は牢獄の子建を見舞う。そして全ては司馬朗の指示だったことにしようと告げる。それでは彼が可哀相だという子建に、自分もあなたも、そして司馬一家もみんなが減刑を願い出れば王は殺しはしないだろうから大丈夫だと言う。
仲達は急ぎ崔家を訪ねるが、崔申はどちらが馬を御していたかは暗かったのではっきりとは見えなかったと答え、崔尚書からは事前にうちを訪ねて来てはあらぬ疑いをかけられるかもしれないと言われやむなく帰る。
卞夫人は子桓の元を訪ね、子建を助けるために王に情状酌量を願い出るようにと頼む。甄氏は義母の言う通りだと言うが子桓はまたその物言いが気に入らない、これがもし逆の立場だったらお前はわたしのために情状酌量を願い出ろと子建に頼んだか?と言って出て行ってしまった。甄氏への当たりがさすがに冷たすぎると阿照は同情する。甄氏曰く、兄弟とは争う宿命にあるのだと。前夫の袁氏も後継争いが元で命を落とす事となった、そして次は曹家でも…。
魏王の前に関係者らが呼び出された。崔申はあの晩子建は引き返せと命じたが酔った伯達がそのまま馬車を御して突っ込んでいったと証言し伯達は眼を剥く。
魏王からどう取り計らうべきかと問われた満寵はすぐに伯達を大理寺送りに。その後魏王は子桓にもこの件はどう取り計らうべきかと問うが、子桓は自分が判断すべきことではないと答える。すると魏王は「それはよくない」とだけ言って去って行った。
大理寺で伯達は拷問を受け仲達と謀って子建を陥れようとしたとの自白を強要されるがじっと耐える。
仲達は子桓に助けを求めに行くが口を開く前に「何も力にはなれないぞ」と釘を刺された。子桓は魏王が子建を救うためにあのわざとらしい崔申の嘘の証言を見過ごしたのだと考えていた。やはり父は子建を後継にしたいのだ。母も妻も、そして今臣下すらも皆が自分に子建の弁護をしろと言ってくる。あげく仲達がやはり兄の伯達に命じられて自分よりも子建を助けようと図ってるのだろうと怒って出て行ってしまった。
その話を聞いた春華は、子桓が仲達を用いようとした時はあんなに熱心に口説いてきたのに仲達からの頼みは掌を返したように突き放すという身勝手な行いは仁義に反することで江湖では決して許されないことだと憤る。と、その言葉にひらめいた仲達はあの汲布に会いに。
仲達の予想通り汲布は校事として事件直後から崔家を監視していた。仲達は崔尚書と丁儀が事前に密談していたことを記録した書を見せてほしいと頼み込む。
魏王の元に卞夫人がやってきて息子を助けられるだろうかと尋ねる。魏王はこう答えた。子桓が朝臣をみな率いて子建の情状酌量を求めて来てくれれば減刑できたのだが、彼らの臣下がそれをさせまいと暗躍しているのだ。この事態を打開できる唯一の人物が動くかどうかにかかっている。その人物とは…荀令君だ。
汲布の協力で楊修と丁儀が崔尚書に賄賂を贈っていた記録を入手した仲達はこれで二人の悪事を訴えることができると言うが父・司馬防がそれを止める。事が明るみに出れば子建公子の監督責任が問われ罰せられる。となれば必然的に伯達にも連帯責任が課せられる。仲達はこのまま死罪になるよりかましだろうと訴えるが父は言う、後継争いとは理論や法ではなく関わりの濃さ(仲の良さ、コネクション)そして王の好みなのだと。今仲達が二人を訴えて子建公子の立場を失わせれば、王は後に必ずお前を、司馬家を陥れる、と。
成す術なくこのまま兄が死刑になるのを見ているしかないのか…と、司馬防が、かつて自分を救ってくれた時に力になってくれた御人はどうだろうかと言い出す。
仲達は荀令君に面会し、楊修と丁儀が崔尚書に贈賄し崔申に偽証させたことを魏王に訴えたいので一緒に来てほしいと証拠の書を差し出す。しかし事件は魏王自らが判決を出したものであり、今更この書を出しても王の機嫌を損ねるばかりかこの校事の書を盗み出した罪で罰せられるだろうと言われてしまった。それでも兄さえ救えれば自分の命は惜しくないと言う仲達。「いつもそんなやり方で物事が解決すると思ってるのか?それがお前の"知恵"なのか!?」荀令君は一喝する。お前の兄を救えるのは私ではなく"形勢"であり"人の心"。多くの朝臣の同調があれば兄を救えるかもしれないが一人で突っ走るのは愚者の行いだ…その言葉に仲達は目が覚める。
荀令君はさらに言う、将来子桓を支えていく時も全て一人で行おうとせず周囲とよく協力し同調しながら、一人の人ではなく一つの国を支えていくことを常に念頭に置くのだ、と。
その夜、荀令君は魏王に面会する。そして事実を曲げて子建を救い司馬朗を罰したことは世間に魏王の恐ろしさを見せつけることとなったと指摘する。20年前、漢王室を救うために奮闘していた曹操に出会った荀彧は彼こそがこの乱世をまとめ漢王室の再興を実現してくれる英雄、"明公"であると信じ今までついてきた、しかし今はかつての明公の姿は見えない。あるのは司空でも丞相でも飽き足らず王位にまで就く欲深い男の姿。朝臣は皆びくびくしながら王の機嫌をうかがう日々…「あなたには失望した。」
荀令君のその言葉に魏王は驚き、漢王室の皇帝の座を要求するような真似はしない、いつまでも漢王室の臣下だと言うが、しかし荀令君はもはやついていくことはできないと言って拝礼し退室していった。
乱世を治め人々に平和を安心を与えるためにやってきたはずなのにいつからこうなってしまったのだ…曹操は愕然とし頭を抱える。
* * * * *
荀令君…!なんてオイシイ役!泣いちゃったよ!
こんなに脇役ぽい顔なのに(失礼)かっけー!!
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