「軍師連盟」第十集

いくら子桓公子が罪に問わぬと言っても曹操がひとたび命じれば汲布の首は簡単に落ちる…春華は心配でいてもたってもいられない。また伯達も曹家のお家事に首を突っ込むような真似をしてと仲達を叱る。大丈夫だと言う仲達の言葉を誰も信じない。


その夜、子桓公子は監察台にやってきて昼間に掲げたままの「仁義」の旗を眺める。父は明日どのような審判を下すのか…。仲達から教えられたのはこの「仁義」の二文字だ。彼は言ったのだ、今や丞相・曹操を恐ろしく思わない者はいない、だが彼もかつては一介の将軍で幾多の苦難を乗り越え己の力で道を切り開いてきた、そして彼の目的はこの乱世を平定し人々に安寧の暮らしを与える事なのだ。厳しいお父上はそのようなことを表面には出さないかもしれないが、必ずやこの「仁義」の二文字は心の中に存在しているはずだ、と。彼の威厳を損なうことなく弱点を突け、そう言われた…。

阿照は気になって監察台へ行ってみると、そこにはやはり子桓公子がいた。阿照は子桓公子を励まし暖かい狐の毛皮のマフを渡し、しばらく二人で語り合う。 夫が一人監察台へ行ったと聞いた甄氏は毛皮のコートを持って行くが、監察台で少女を楽しそうに語り合う姿を見てそのまま戻っていった。


翌朝、監察台に現れた曹丞相。縄をかけられた汲布が衆前に跪いている。曹操は「仁義」の旗を下ろし汲布の肩にかけた。そして民衆に向かって言う。

「わしはとある事件を思い出した。麦畑の傍らを行軍していた時の事だ。わしは畑を荒らしてはならぬ、畑に入った者は斬首すると命じ、皆馬から降りて歩いていったのだ。ところがわしの馬が突然暴れて麦畑に入り苗をだめにしてしまった。わしは法を守らねば天下に顔向けできぬと自ら首を刎ねようしたのだが、そこにいた将士も百姓らも誰彼がやめてくれと申す。そこでわしは自分の首の代わりに髪を切って皆に詫びた。

さて、この汲布は法を破った。この違反者を殺さねば国の法は守られず、情け深い心をもつこの者を殺せば仁義に反する。わしは思った、天下の百姓(※一般人の意)の命だ、百姓らが彼を赦すべきと思うなら赦そうではないか!」

曹操は刀を振るう…汲布の首が落ちるかと皆目を背けるが、刀は汲布の髷を切っただけであった。曹操は汲布に、お前の命はこの曹操が与えたのではなく天下の百姓が与えてくれたことを忘れるなと告げる。民衆は皆感服し万歳を唱えた。

子桓公子は父に感謝を述べる。と、父は仁義の心を思い出させてくれてこちらこそ、お前に感謝すればよいのかな?と言うのだった。


連れてこられた汲布に曹操は改めて、今回の件は誰の指図だったのかと尋ね、しらばっくれるならば調べた上でそやつを殺すと迫る。

子桓公子は校事府を統率するにはまだまだ力不足であったと牌を返還するが、曹操は約束通り汲布を見つけたのだから校事府は続けろと牌を再び託す。不意に曹操は公子に盧という馬を知っているかと訊く。目の下に涙のように白い毛が生えており、千里を走るが主人に仇成すと言われている不吉な馬だ。曹操は今日お前を助けた馬は明日にはお前に仇成すかもしれんぞと笑うが、公子は立派に御してみせるので安心してくださいと答えるのだった。

子桓公子は馬場へ。仲達ももう逃げはしなかった。

もう退路はないし退くことはしない、父の目指す天下の平安を実現するため前へと走り続けるのみだ。


あれだけ曹操には関わらないようにしてきたのに夫が子桓公子の軍師となったため春華はすこぶる機嫌が悪い。彼女は家族と平穏に過ごせるだけでいいのだ…夫がこれから危険な目に遭うのではないかと心配する。


仲達は子桓府に招かれ仲間達に紹介される。その中には曹真の姿もあり、彼はまだ仲達に嵌められ顔をひっぱたかれた(※身動きのとれない彼の顔に蚊が止まったため仲達が叩いて退治した)事を根に持っている。兄弟の契りだと言ってひと甕の酒を強引に飲ませた。酔っぱらった仲達は膳に突っ伏して動かなくなってしまい、その様子を見て皆大笑いする。

と、そこへ甄氏が酔い覚ましの湯を持って現れた。美しい甄氏に皆茫然として見入る。まだ酒宴は始まったばかりだが突っ伏している仲達以外は皆酔い覚ましをおし頂いて飲み干した。

 * * * * * 

うん?仲達が曹丕についていくと決心する動機が弱くね?

たぶん「仁義」の話をした時に決心したんだろうけど、ここまで来たら仕方なくなのか、それともこの公子ならできる、自分が助けなきゃって本気で思ったのか。生死を共にするってのもお得意の口先だけなのか本心なのか、よくわかんねー。

Chaoyang's Ownd

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