子桓公子の第一の部下である曹真が兵を率いて司馬府に乗り込んできた。仲達が汲布を匿ってるはずだと捜索させる。春華が激高して曹真につかみかかろうとするのを仲達は止め、この件には重大な秘密があると言って曹真を部屋へ招く。と同時に阿照を子桓公子の元へ走らせる。
仲達はのらりくらりと話をし、曹真がいい加減しびれを切らしたその時、背後から汲布が現れ曹真の首に剣を突きつけた。そのまま小一時間が経ち、やっと子桓公子がやってきて汲布を去らせ曹真を開放する。曹真は子桓公子の命令で渋々引き返す。
子桓公子と仲達は(他人に話を聞かれないように)舟に乗る。仲達は公子になぜ丞相が汲布の捜索をあなたに命じたのかと問う。子桓公子は、これは表向きは部下の不祥事を上司が責任を取るという名目で実際の所は自分を貶め弟の子建を後継にするためだと答える。丞相が子建公子を後継にしたいのならばすでにしているのではと仲達は問う。そうしないのは、嫡子長男が後継になるべきと考える朝臣が多く子桓公子を支持している現実があるからだ。丞相が本当に抑えたいのは子桓公子自身ではなくその周囲を取り巻く朝臣の力。汲布を逃して中郎将の任を解かれても丞相は必ずあなたに別の位を用意しているはず、ここで汲布を捕えれば丞相や子建公子と正面切って対決することになると仲達は説く。
妻である甄氏が子建公子の作った恋の詩を大事に持っているのを見て子桓公子は冷ややかな視線を送る。甄氏は自分の事を嫌いならどうして結婚を承諾したのと聞く。子桓公子は結婚したくてしたのではなくさせられたのだと、自分は何一つ思い通りにはさせてもらえないのだと言って去って行った。
子桓公子は街頭に立ち「仁義」と書いた旗を立て、汲布は命令に背いたがそれは老いた母を思う子の気持ちを汲んだ仁義の行いであり、本日中に自首すれば罪に問わないと広報した。仲達は汲布を連れていこうとするが、春華は夫が嫉妬に駆られて汲布を騙し連れて行こうとしている思い派手な夫婦喧嘩になる。根っからの文人である仲達には武術に長けた妻に抵抗して汲布を連れて行くことはできなかったが、汲布自身が子桓公子を信じて自首すると言い、春華にも止めることはできなかった。
子桓公子はじっと待ち続ける。日が傾き噂を聞いた人々が集まって来た。離れた所には荀令君、満寵といった朝臣の姿も見える。そしてやはり汲布はやってきた。集った人々は本当に自首してきたこの仁義の男を殺すべきではないと口々に声を挙げる。子桓公子は公言通り汲布を罰することはしないと人々に確約する。
子建公子の仕える楊修と丁儀は子桓公子が民衆の心をつかみ株を上げた事に危機を感じ、丞相に報告してすぐにでも汲布を処刑させようとするが、曹操は夜も更けたといって面会を拒む。楊修は子桓公子の今回の行いは仲達が仕向けたものだと確信する。
曹操は密かに汲布を捕えていた。誰に言われて自首したと問うが、汲布は子桓公子の仁義という言葉を信じ自らの意志で自首したと答える。それに逃げて野垂れ死ぬくらいなら英雄と名高い丞相の手にかかる方が本望だと。汲布は牢獄へ連れていかれた。
曹操は今日の現場に司馬懿は来ていたのかと満寵に問うが、彼はこの一日ずっと家にいたことが密偵の報告からも明らかになっているとの返答。なんと司馬懿は山のように動かずこの事態の行く末を静観していたのか…。
続いて子桓公子がやってきた。命令通り汲布を捕えたが、命は助けてやってほしいと請願する。そんな条件を許した覚えはないがと言うと公子はこう答えた、もし彼の命を救えば民衆は父の寛大さに心服することだろう、もし彼を処刑するというのならば、自分が民に対し嘘をついたと汚名を被るだけで父の名は決して傷はつかない、と。
* * * * *
ああ、根っからの文人で気弱で、だけど知略は回るってキャラだったのねこの仲達は。気弱ってところはちょっとわかりにくかったなぁ、奥さんが強すぎて。
春華役の劉涛、「ミーユエ」ではかなり若く見えてたんだけど意外とベテランだったのね。芝居が上手いわけだわ。
0コメント