「一本好書」第三期
『三体』(原著/劉慈欣)
現代中国の有名なSF作品。原作は三部作となっておりこのプログラムでは主に第二部の、非常にざっくりとしたアウトラインのみを扱っているようだ。
原作は「スターウォーズ」や「ガンダム」のような娯楽SFではなく、きちんとサイエンスを軸にして人間や社会を哲学的に解析する方向へ導く本格SFのようで、つまりこれを舞台劇にするって、不可能でしょ!それを無理くりやろうとするとどうなるか…殆ど説明台詞になるわけだ。
狂言回しである羅輯(演:趙立新)がまるで大学の講義のようにひたすら喋りまくっててその合間にちょこちょこっとワンシーン入るような構成。なんか、NHKの科学番組みたいだななんて思った。
趙立新はこの教科書みたいな専門用語が羅列されてる長台詞をスラスラとまあよく覚えられるもんだと感心したけど、でもよく見ると妙に視線が下を向いてるのでおそらくプロンプターを入れてるんだろう。いくらベテラン俳優だといっても、これはよほどのSF好きとかでない限りは無理だ…。
ストーリー理解してないと意味が半分もわからないラストシーンは、でもなんか目を吸いつけられるような緊迫感があったな。
このプログラムではスクリーン映像が非常に効果的に利用されてると思う。やっぱりSFはサイエンスな技術と相性が良い。中盤にあったミクロの世界からマクロの世界へズームアウトしていくような映像が特に印象的だった。
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