月冷の作った香料に皇帝は満足し、魏王の予想通り彼女を宮殿へ上げ側に置くようになった。
楚王の提案で国王一家は狩りに出かける。鳳知微は幼い赫連図が母である劉牡丹に懐かず乳母にべったりの様子を見て、普段殆ど一緒に暮らしていないのではないかと疑う。劉牡丹は赫連烈に我が子を人質に取られているのではないか…。
逃亡した司憲の居場所が判明したとの報せがあり赫連烈は急遽兵を連れて追うことに。暗殺計画はどうするのかと劉梅朶は問う。赫連烈は必ず楚王と鳳知微を仕留めるようにと彼女に毒薬の小瓶を渡す。
赫連錚はずっと行方不明だった司憲がこのタイミングで現れたのは何かしら謀ったのではないかとこっそり楚王に問うが、楚王は素知らぬ顔で狩りを楽しもうといって馬を走らせていった。
劉梅朶が裏で毒薬を酒に混ぜているところに突然鳳知微がやってきた。劉梅朶は何事もなかったかのように乾杯を勧めるが、鳳知微は突然杯をぶちまけると劉梅朶の腕をつかむ。そしてその袖口から毒薬の小瓶を探し当てた。そしてその時、黒装束の男らが天幕を取り囲み衛兵に一斉に襲い掛かった。司隠淪の率いる兵だった。劉牡丹と赫連図を攫い去っていく。
赫連錚は自分がいながら幼い弟が誘拐されたことに自責の念にかられる。しかし司家を操ったのは楚王に違いない、弟を返せ!殴り込みに行きそうな勢いの赫連錚を制止し、今早まって楚王と対立し怪我でもさせれば赫連烈の思うつぼだと言う。そして今日劉梅朶が自分を暗殺しようと謀っていたこと、先王が謀殺だった事実を吐いたことを伝える。
(皇帝は辛子硯の提言通り寧昇を釈放したようだ。)
寧昇は魏王の元を訪れ、後宮の母の住まいであった昭慶殿へ行って母の弔いをする許可をもらうのに父帝に口添えしてほしいと頼む。
二兄は昭慶殿にある何かを取りに行こうとしている…魏王は一緒に昭慶殿へ行くよう計らえと月冷に命じる。
司憲は捕まえられず劉牡丹と赫連図は未だ行方が知れない、赫連烈は赫連錚が帰国してから悪い事ばかりが起きると皆の前で罵る。だがその時劉梅朶が現れ、先王が赫連烈によって毒殺されたと告発した。赫連烈は嗤いどこに証拠があると突きつける。この女は婚約者に罪を着せ廃人に貶めたのだ!そう突きつけられ劉梅朶は青くなる。こんな女の戯言を誰が信じるか!そう言って赫連烈は衛兵を呼び取り囲ませる。
その時、劉牡丹が姿を現した。劉牡丹は先王が崩御した後、赫連図を赫連烈に奪われ偽の遺書を作ることを逼られたと告発した。朝臣らはどよめく。そして先王の遺書に従い赫連錚を王として迎えると皆膝をついた。
赫連錚は皆に向かい、吉日を選んで即位式を行うと告げる。だがその時赫連烈がその背中に向かって剣を突きつける…!気付いた劉梅朶が立ちふさがり赫連烈の剣を胸に受けた。すぐに衛兵らが赫連烈を追う。赫連錚に抱えられた劉梅朶は「私は本当に、本当にあなたを愛していたの…」そう言って事切れた。
皇帝の許しが出て寧昇は昭慶殿へ。月冷が既に祭壇を設けて準備をしてくれていた。寧昇は飲み物をもってこいと言って侍女を遠ざけると、母が仏壇の奥に隠していた小箱を取り出す。常遠がいざという時に開けろと言っていた小箱だ。だがその時急に朦朧としてきて気絶してしまった。実は月冷が事前に香炉に薬をくべていたのだ。
月冷は小箱を奪うと中を確認する。折りたたまれた書と魚のお守り…実はこれは彼女の大切な仲間のもの。その昔常遠に陥れられ書かされた自白書だった。月冷はこれらを懐にしまう。
外では魏王が待っていた。月冷は小箱を渡す。中には紙切れ一枚…もし常家が危機に陥ったらこれを陛下に見せれば信じてもらえると書かれていた。他に何か残されていなかったかと魏王は問うが月冷は何も無かったと答える。その時物音がして部屋へ戻ると寧昇の姿が消えていた。しまった、魏王と企んでいることがばれたかもしれない…月冷は青くなるが、魏王は平然として彼はもう用無しだと告げる。月冷はうなづく。
寧昇は昭慶殿で写経をして母の弔いを続けていたが日に日に弱って行った…。
寧弈は帰京の準備を整える。赫連錚は結婚式に出席していけばいいのにと勧めるが、寧弈はそんな義務はないと、そしてもし鳳知微を傷つけたらお前を殺してやるとにらみつけて去っていった。
外では鳳知微が待っていた。寧弈は元気でいてほしいといった事しか言えない。二度と会えないかもしれないのにあなたの気持ちはその程度だったのかと鳳知微は以前寧弈が手づから彫って作った簪を返す。今は自分にこの運命を変えることはできないから前を向いて歩いていくしかない、しかしそれは決して諦める事ではない、そう言って寧弈は簪を鳳知微の手の中に戻す。
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う…ん…金獅篇のオチはベタだったな。ベタ中のベタだ。
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