魏知が聖旨を読み上げるのを燕王が制止する。だがその時皇帝が姿を現した。皇帝は続きを読み上げろと命じる。魏知は聖旨を読み上げる「朕が逝去した後は 燕王寧昇が即位せよ」。
皇帝は、遺書は二部作成し一つはその金の箱に、もう一つは自分のベッドに隠していたと告げる。燕王は目を見開く。皇帝は楚王に箱の中の遺書を読み上げさせた。そこには後継者の名など記されておらず、ただ兄弟が皆いがみ合わず互いに助け合っていかねば社稷を守り国を守ることなどできないという訓示が書かれていただけだった。
燕王はこれが自分を陥れる罠だと主張するが、趙淵が身体検査をすると袖から聖旨が出て来た。さらに皇帝が命じると燕王が毒を仕込むよう命じた宮廷医師が連行されて来た。燕王はすべて楚王や魏知の仕組んだことだとあがくが、連行されて来た徐啓瑞が燕王が常遠の縁を利用して兵を動かしクーデターを企てていたと証言する。燕王は皇帝の足元に這いつくばり、常家に唆されたのだと釈明し命乞いする。韶寧公主や魏王も命だけは助けてやってほしいと願い出て、皇帝は燕王の爵位を取り上げ庶民へ落とし宗正寺へ幽閉するよう命じた。
燕王は(終身刑だと二度と父の顔を見られないため)別れの拝礼を捧げる。その姿がかつての自分と重なり楚王は顔を背ける。燕王は顔を上げたかと思うとすぐ側の衛兵の剣を抜き突っ込んできた!魏知が陛下を庇い衛兵が立ちふさがり防ぐ。燕王は取り押さえられ連行されて行った、「寧弈、殺してやる!殺してやる!」そう繰り返しながら…。
常貴妃は息子のために皇帝に謝罪に行き、自分が代わりに死罪になると申し出るが、皇帝毒殺容疑と遺書改変の罪は妃が肩代わりできるようなものではないと突っぱねられる。だが彼女はすでに毒を飲んでいた。口から血が流れる。皇帝は手巾を放り投げ、もし息子のために仇討をしようなどと考えなければ妃として葬ってやろうと言う。常貴妃は血を吐きながら土下座し、そしてふらふらと出て行った。
あの事件以来燕懐石の姿が見えず魏知は心配する。顧南衣は彼がこの殺伐とした帝都に嫌気がさして、あるいは身の危険を感じて故郷へ帰ったのかもしれないと言い、魏知も無理のない話だと思った。だがその時燕懐石が帰って来た。彼は故郷へ戻り閔海の海賊のアジトを記した地図を手に入れて来たのだった。魏知と顧南衣は彼が逃げ出したと思ったことを恥じて陳謝した。
皇帝は楚王を呼び出し、もう御史台の職をやめればよいと言う(後継者の権利が復活することを意味する)が、楚王はその褒美を受ける気はないと答える。そこへ魏知と燕懐石が参内し閔海の海賊の地図を献上する。広い閔海の殆どが海賊…すなわち常遠の勢力下にあることを地図は示していた。
寧弈は魏知に、いつまでも今の立場でおればいつか正体がばれるかもしれないし皇家の争いにこれ以上巻き込まれなくなければ都を離れた方がいいと勧める。自分はその争いから逃れようもないが、いつかその争いにとり憑かれて鬼と化してしまうのではないかと恐ろしくも思っていると告げる。魏知は殿下が鬼となるならそれは鍾馗(※悪霊を祓う神様)だろうと微笑む。と寧弈は突然魏知の手をとるとその手首に噛みついた。青溟書院でされた仕返しであり、そして自分の事を忘れないで欲しいという願いでもあった。
常貴妃がいなくなってようやく母も安心して暮らせる、魏王は母を喜ばせようと美しい簪を贈る。王才人は喜ぶが、しかし常貴妃がいなくなっても今まで通り慎ましやかに、波風立てぬよう暮らしていくのが一番いいと息子を諭す。そして一瞬も気を置けない都よりも辺境に帰った方が安心して暮らせるのではと言うが、魏王はもう二度と母を一人にはしないと誓う。
魏王は父帝からも、このまま都に残るか辺境へ戻るか選んでいいと言われた。だが魏王は都に残って父帝の手助けを、父帝の動かす駒の一つになりたいと申し出るのだった。
皇帝の元に辛子硯がやってきて、賭けをしようと投壺(離れた所から矢を投げて壺に入れる遊び)に誘う。もし勝ったらこれから献策する案の人事権が欲しいと言う。皇帝にわしが勝ったらどうするんだと問われ、辛子硯はその時は自分が第一戦で働きますと答える。
二人は投壺を始めるがまったく一本も入らない。辛子硯の策とは、閔海常家の後継者候補として最も有力な長男の常忠義を帝都へ呼びだし留めておくことだ。常遠に対する人質ともなり、また常忠義に権力を与えることで常遠の力を削ぐことにもなる。皇帝は、閔海へ行ってそんな首尾よく話をまとめてこれるのはお前しかいないだろうと言うが、辛子硯が適当に投げた矢が壺に入ってしまった。皇帝は憮然とする。辛子硯がこの案に推薦したのは魏王・寧斎だった。
その魏王が、命じられていた韶寧公主の婿候補リストを作って持ってきた。
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この投壺が全然入らないっての、正直いらんエピソードだけどだいぶ笑える。皇帝が腰痛でイテテってなってるのに重ねてだから余計にw
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