あなたが鳳知微を好きなことはわかるが彼女が真相を知れば必ずや怨まれるんだぞ、辛子硯は寧弈にはっきりと告げる。そしてできるだけ皇帝から引き離すために金の箱を守る任務から外させるよう仕組んでみようという。彼女が皇家に関わらない事が彼女にとっても一番良い事なのだからと辛子硯は説く。寧弈はとにかく彼女に関することは必ず事前に相談してほしいと頼む。
魏知は楚王に蹴られた足がまだ治っていないといって自室にこもっていたが、燕王が足を診てもらうと良いといって鍼灸師を連れて来た。その時韶寧公主が騒ぎを起こしているとの報せ。燕王と魏知が様子を見に行く。部屋に残った燕懐石に鍼灸師がそっと歩み寄り鍼を打とうとするがたまたまやって来た顧南衣がそれを防ぎ鍼灸師を追い返した。燕王の息がかかった鍼灸師は燕懐石を鍼で気絶させてその間に部屋に隠されている金の箱を探し出す算段だったのだろう…。
翌日、韶寧公主が今度は父帝から貰った大切な魚のお守りを魏知が盗んだと騒ぎ立て刑部の彭沛を呼びつける。だが魏知は四品の官吏の部屋を捜索するなら当然陛下の指示書がなければ不可能で、まさか金の箱を狙っているのではと突きつける。青溟書院の学生らはわがままな韶寧公主が因縁をつけて青溟書院を陥れようとしていると決起し、刑部兵と乱闘になった。顧南衣は魏知を助けに向かうが、それを確認した燕王がこっそりと魏知の部屋へと侵入する。ところが先客がいた、それは楚王だった。なぜこんな所にと聞くと、彭尚書が兵を引き連れて青溟書院へ行ったので何事かと思ってやって来たと言う。燕王は訳を話して魏知のベッドの下を探り、鍼灸師に仕込ませておいた魚のお守りを取り出してみせる。
燕王、楚王、彭尚書の前に引き出された魏知は陰謀だと言う。だが楚王は紛れもなくお前の部屋からお守りが出て来たのだと突きつけ押送しろと命じる。魏知は逆上し楚王の手首に思い切り噛みつき毒づくが楚王は顔色ひとつ変えなかった。
今日の楚王の言動からますます金の箱の中の名が楚王である可能性が高まり燕王は焦り出す。また寝込んでいた父帝は楚王が献じた処方で快方に向かい、父帝は楚王に褒賞を与えたと知らされた。早く手を打たなければますます不利になっていく…燕王は長兄の二の舞にはならない、と韶寧公主や彭尚書、徐侍郎らと決起することを誓う。燕王は宮廷医師に楚王が献じた処方薬にしかるべきものを仕込むよう逼る。
辛子硯からの手紙を読んだ徐侍郎は青溟書院へ。辛子硯はあなたがなぜ燕王に従っているのかその理由を知っていると言う。それはあなたの兄上の万劫禅師があの禁書・大成要略の執筆に関わっており、それを知った燕王が万劫禅師を攫い人質にしていたからだろうと。そして理由を知った楚王殿下が救い出してくれたのだといって万劫禅師を連れて来た。徐侍郎は幼い頃に生き別れた兄との再会に驚き感謝する。
楚王に下った徐侍郎は燕王の作戦を話す。まず韶寧公主が魏知を連れ出して燕王府へ行き、そこで常遠がクーデターを図っているとの報せをわざと聞かせるのだ。しかし後継者の名が燕王ならば常遠は剣を引くだろう、そういって魏知に金の箱を持ってこさせるのだ。金の箱を入手した後は魏知を抹殺する…!
楚王府でその話を盗み聞きしていた顧南衣は宗宸に伝える。そして楚王が魏知を救いに行くはずだと言うが、宗宸は魏知を助ける際のどさくさに紛れて楚王を暗殺しろと命じる。
かき集められるだけの衛兵を率いて燕王府へ向かった楚王は、燕王がひそかに配備していた袁将軍率いる衛兵と戦っていた。どさくさに紛れて楚王を暗殺しろ…顧南衣は楼の上から楚王の姿を探す。寧澄に追い詰められた袁将軍は情けなく命乞いをする。その目前にやってきた楚王に顧南衣は矢を向ける…。お前には国法による裁きを受けてもらう、そう言って背を向けた楚王に、袁将軍は隠し持っていた小刀を手に襲い掛かる!その時顧南衣が放った矢が袁将軍の首に深々と突き刺さった。楚王が振り向くと楼の上から顧南衣が飛び降りて来た。なぜお前がここにいる?その質問に顧南衣は「お前が死んだら彼女が悲しむからだ。」と答えた。
韶寧公主と共に青溟書院へ戻って来た魏知は自室に隠していた金の箱の包みを取り出す。が、その時楚王がやって来て、皇帝の緊急招集があり今から金の箱を持って参内しろと言う。
魏知は韶寧公主と共に車に乗るが、途中で楚王が魏知だけを呼び出した。魏知は金の箱を韶寧公主に預けて車から降りる。その間に韶寧公主は箱の中身を燕王が作った偽物の聖旨と入れ替えた。
宮殿には既に朝臣らが皆集まっており、皇帝が危篤なのではと噂している。趙淵がやってきて楚王だけを先に呼ぶ。楚王は魏知に目配せすると先に奥へと入っていった。韶寧公主は取り替えた聖旨をこっそり燕王に渡す。
再び趙淵が姿を現す。そして姚丞相に金の箱の遺書を読み上げよと告げる。魏知は金の箱を差し出し、姚丞相は中の聖旨を開く。だが彼はそれを見ると絶句し固まった。魏知が横から聖旨を取り上げ読み上げ始める…。
その様子を隣の部屋からうかがっている皇帝、そして楚王。皇帝は枕の後ろに隠してある箱を持ってこいと楚王に命じる。
ではそろそろこのお芝居も終幕としよう…皇帝は楚王を連れて歩み出す。
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ぬぉぉぉ!細かく書くと際限ないからだいぶ端折ったけど、むちゃくちゃミスリード仕込んで凝ってて凄いよこれ。いよいよ次回クライマックス!たぶん。
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