趙彦は温県の織物工房へやってきて工房長に楊平の似顔絵を描かせた。その顔は陛下そのものだった!だが趙彦の不審さに工房長は彼を殴って失神させ司馬家に引き渡した。さて趙彦をどうすべきか。殺せば司馬家が疑われるが放すこともできない。
趙彦が目を覚ますとそこは納屋で、隣には足を怪我した司馬懿がいた。司馬懿は皇帝に関するある秘密を知ってしまったために実兄である司馬朗に足を切られここに放り込まれたらしい。司馬懿は納屋のもろい所を知っているのでそこを破って逃げろと言う。逃げてこの真相を都に伝えるようにと。趙彦は一緒に逃げようと言って司馬懿を支えて脱出する。すぐに司馬朗の追っ手が。林を逃げる途中で司馬懿は狩猟罠を踏んでしまい動けなくなった。必ず都へたどり着くようにと趙彦の背中を押す。
趙彦が去って行ったのを確認して司馬朗は追跡をやめ撤収する。「助けてくれー!」弟の声が聞こえるが司馬朗は呆れてそのまま帰路に就いた。「誰か助けてー!」わめく司馬懿の前に現れたのは唐王妃だ。罠を外そうとするが司馬懿がどさくさに紛れて抱き着くので怒って突き倒す。足の怪我はもちろん嘘なのだった。
司馬懿は唐王妃に趙彦を絶対に殺させないように、無事劉平に面会できるよう守ってほしいと頼む。そして彼女に愛を告白し温県に戻ってくるのを待っていると言う。唐王妃は何も言わずに去って行った。
許都についた趙彦はすぐに満寵の兵に追われた。師匠である孔融の馬車に駆け込み、亡き董妃の位牌を抱いて弘農王の祠へ。全ての真相を知ったと言って唐王妃に陛下に会わせるよう迫る。
劉平に面会した趙彦はあなたは本物の陛下ではなく楊平だと突きつけ、今自分が殺されても司馬懿が全てを知っていると言い放つ。
郭嘉と満寵は司空府をひそかに包囲し趙彦の動向を待っていた。さて陛下は彼をどうするか。殺すか、それとも火事にでもするか。いずれも芸のないことだと郭嘉は笑う。 剣を手にしようとする唐王妃や皇后を制止し、劉平は真実を話すと言って懐から帯を取り出した。劉協の遺書である衣帯紹だ。その中身を見て趙彦は愕然とし平伏する。そして自ら舌を切り血を吹きながら出ていった。
司空府から出てきた趙彦を満寵の部下がすぐに捕らえる。見ると舌を切っている。何も自白せぬということか…満寵は連行するよう命じる。その時、孔融がかけつけ弟子のひどい有様を見て激高する。「満寵お前は楊太尉を酷い拷問にかけただけでは飽き足らず我が弟子にまで!」満寵は彼が出てきた時に既に舌を切っていたと告げるが、その時趙彦が懐刀を取り出し馬車の郭嘉に襲い掛かかる。咄嗟に郭嘉を守ろうと前に立った満寵の剣が趙彦の胸に突き刺さった。満寵はわざとではないと釈明するが孔融は弟子の変わり果てた姿に膝をついておいおい泣く。してやられた…郭嘉は初めて悔しさをにじませ、孔融に見舞い金を出しておけと言って去って行くのだった。
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いやちょっと釈然としない解決篇だなぁ。ライトすぎるっていうか、ここまで凝った話の展開にしてたのにオチがそれ?って。納得いかない。
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