辛子硯は珠茵に誘われ蘭香院へ。とびっきりの芸妓を準備していると言われいそいそと個室へ入る。雅に琴をつま弾いているのはどんな美女かと覗くと、それは寧弈であった…辛子硯は憮然とする。寧弈は青溟書院の院長である彼と頻繁に会っていると太子一派に陰謀を疑われるため、知られないよう蘭香院へ呼んだというわけだ。
寧弈は血浮屠として殺された者達については顧衍に調べさせると言う。顧衍が自ら真相を知ることで太子一派への信頼を崩す目的だ。しかしそれは一種の賭けでもある。辛子硯は彼のその危険を踏み越えた決断力に君主としての才能を垣間見る。
秋尚奇と秋明纓の会話を盗み聞きしていた玉華は鳳知微・鳳皓の姉弟に何か秘密があるらしいと知る。家族が一堂に集う茶会で玉華は明纓に夫の名を教えてくれと聞くが秋尚奇に余計な口出しするなと怒られた。しかしなおも、知微と皓が双子だという割にはちっとも似ていないなどと発言し、怒った秋尚奇は彼女をつまみ出した。
趙王寧研は先日夫が失踪したと騒いでいた作業員の妻を、夫殺害の容疑で逮捕し連れ去る。そして牢獄で毒を盛って暗殺するよう命じた。冤罪だと訴える女に飯を食えば弁解の機会を与えてやると言い、信じた女は飯を掻き込むがやがて苦しみだしその場に倒れた。二人の男がやってきて彼女を運び出す。その姿を茂みの間から見ている者があった、それは寧澄だった。
燕王が一般人の女を殺そうとしていたとの報告を受けた顧衍。女は死んではいなかった、趙王の凶行に気づいた顧衍が手を回して薬をすり替えたのだ。そして"血浮屠の残党"の遺体を並べた部屋へと彼女を連れて来る。女は遺体の中に自分の夫の姿を見つけ泣き崩れるのだった。 楚王の言う事は本当だった…寧川の言葉を信じて忠義を尽くして来たのに裏切られた、顧衍は怒りを爆発させる。だが今更太子である彼に逆らったところで作業員の妻同様に闇に葬り去られるだけだ…。
玉華は下町へ出掛けた際に飯屋の客が哀帝の遺児について話しているを聞いた。18年前に血浮屠のリーダーの顧衡が生まれたばかりの赤子を抱えて逃げたが今の太子に射殺され崖へ転落した、その遺児や血浮屠の残党を今更探しているとは滑稽なことだし、遺児が本当にいたとして哀帝の子だと名乗ったところで誰が信じるだろうかと笑う。しかし18年前という言葉に玉華はピンと来た。秋尚奇と秋明纓の途切れ途切れに聞こえた会話からすり合わせると、もしや鳳知微と鳳皓のどちらかが哀帝の遺児なのではないか!?
顧衍が太子に会いに東宮へ入ったと知った辛子硯は寧弈を探して蘭香院へ。あまり頻繁に楚王と会っていると太子一派に疑われるが一刻を争う。事の成り行きによっては今夜にも太子の刺客が楚王を襲うかもしれない。辛子硯が顧衍に同行して血浮屠のアジトへ向かった際に襲われた時、その時の伏兵は素人ではなく確かに血浮屠の使う技や武器を使っていた、本物の血浮屠だった。辛子硯は太子が密かに血浮屠を匿い自分の手駒として練兵しているのではないかと言うのだ。そして寧弈も既にその可能性に気づいていた。話を聞いていた珠茵はなるほど思い当たるふしがあると言う…。
玉華は先の茶会の席で追い出されたことを逆恨みし、秋明纓の子が哀帝の遺児だという告発状をしたためる。が、そこへ音もなく秋明纓が現れて玉華は飛び上がる。秋明纓は秋家を滅ぼすつもりなのかとゆっくりと玉華に近づく…。
玉華の言い争う声が聞こえて鳳知微は母がいじめられていると思い急いで部屋へ駆け込むと、そこには玉華をくびり殺している母の姿があった。
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ちゃんと伏線を仕込んでいるのにこの脚本あんまり巧みと思えない。ひたすらわかりにくいんだが…。台詞の意味がだいぶ後になってやっとわかるというのか。辛子硯があれは本物の血浮屠だったって言ってたの最初全く意味不明だったし何であんなに浮かない顔してたのか今になってやっとわかるという感じで…。
辛子硯は意外と知恵袋的な存在ではなく助手的立ち位置っぽいな。楚王殿下の愉快な仲間たちの一人。珠茵も寧澄も良いキャラだわー。
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