新魏王・曹丕(子桓)は親族を中心に新人事を発表、仲達は御史中丞に任じられた。
縄をかけられ王の前に連れてこられた丁儀は平伏もせず子桓を罵倒する。子桓は丁儀の一族諸共処刑を命じた。
子文、子建は各々の封地へ帰し両者に監視人をつけて様子を随時報告するよう命じる。
卞夫人は子文は確かに過ちを犯したが子建はむしろ助けてくれたのだと、彼を都を残すよう迫るが、子桓はそれをしたら荀彧と崔琰の死が無駄になると頑なだ。
父の陵墓を眺める子桓に仲達は曹操の臨終の際の言葉を伝える。「子桓、子建がわしを想う時はこの銅雀台に上ればわしの墓が見えよう。正月15日にはここで(恒例の)祝いの歌舞を舞い共に楽しもうぞ。」子桓は銅雀台が完成した折に子建が詠んだ詩を口ずさむ。子建の詩才は実際素晴らしく父は本当に子建を可愛がっていた。しかし王位に就いたのはわたしだった、あの世の父は本当の所どう思っているのか…まだ葛藤が渦巻く子桓に仲達はこれから新時代をあなたが作っていくのですと言うが、子桓は今日はもう疲れたといって去って行った。
仲達の二人の息子、司馬師と司馬昭は立派に成長し春華仕込みの剣技も鮮やかにこなす。その姿に仲達は目を細める。
だがいつまでものんびりしてるわけにはいかない、新たな法制度の必要性を感じていた。今の朝廷人事は曹家の親族中心で武将が多く、戦には長けるが国を平和に維持する内政には無頓着な傾向にある。新時代のためには家柄ではなく才能を重視し広くから募るべきなのだ。といっても王と親しいというだけの若造が改革を打ち上げたところで朝臣将士らは同意すまい、仲達は父に相談する。すると父はある箱を持ってきた。中には古い書の写しらしきものが入っている。高名な書家・蔡邕の碑文の写しらしい。
「彼の作品は戦の中でその殆どが失われてしまったが、これは彼の娘・蔡文姫が所蔵していた大変貴重なものだ。見てみなさいこの素晴らしい筆遣い、力強くあざやかに飛び立つようなこの勢い!本当に素晴らしい作品だ!」熱く語る父だが書を愛でる習慣のない仲達にはその良さがいまいちわからない。父はこれを手放すのは惜しい惜しいと言いながら箱を仲達に渡す。
仲達は蔡邕の書を古書研究家でもある鐘繇に差し出す「これは蔡邕の娘・蔡文姫が所蔵していた大変貴重なもの。見て下さいこの素晴らしい筆遣い、力強くあざやかに飛び立つようなこの勢い、本当に素晴らしい作品でしょう?」
鐘繇は興奮して書に見入る。こんな素晴らしいお宝を頂戴するからにはお礼をしなければと言う鐘繇に、仲達は新しい人事登用の法制度の設立に力を貸してほしいと頼む。だが鐘繇は曹家の功ある将軍らに歯向かうような馬鹿な真似はできないと言う。良くない習慣を正すことは確かに必要だが、勢力の平衡を崩し相手を妨害するような行いはしてはならないと。しかし仲達は、もし後日自分が自ら火に飛び込むような真似をしたら支持してくれますかと問う。鐘繇はただ笑って受け流すだけだった。
曹丕は父・曹操に献上される予定だった美女・柏霊筠を呼び寄せる。父がいなくなった今、故郷に帰るか自分の後宮に入るかどうするかと問うと、柏霊筠はさらにもう一つの選択肢があるのですよねと言う。故郷へ帰すつもりならわざわざ王が会いに来ないし、喪中のこの時期に後宮に女を入れるのは民のひんしゅくを買う、王にはもう一つの考えがあってわたくしをお呼びになったはず。 噂通りの聡明な女だ…曹丕は彼女を司馬懿の元にやるつもりだった。そして柏霊筠はその考えさえも先に見抜いていた。王さまは司馬懿を監視したいのですよね、わたくしにお任せください、と。
仲達の元に曹丕の昔からの仲間で今は尚書令となった陳群が訪ねてきた。陳群は素晴らしいものを持ってきたと包みを開ける。やけに見覚えのある箱だ…。「これは蔡邕の書。彼の娘・蔡文姫が所蔵していた大変貴重なものだ。この素晴らしい筆遣い、力強くあざやかに飛び立つようなこの勢い、素晴らしいと思わないか?」…どうやら頼みごとがあるようだ。
陳群がやって来たのは、彼の草案した法制度について仲達に相談するためだった。その「九品官人法」は実に画期的で仲達が憂いていた悩みを一気に解消するものだった。仲達は興奮しこの案を詰めてぜひとも王に上奏しようと、二人で夜を徹して奏書を書き上げた。 奏書は仲達から上奏することに。ただこの法に反対する将軍らと対立する可能性はある。陳群はその時は共に闘おうと約束する。
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おもしろいなぁ、コミカルなところが必ずあるのが柔らかくて楽しい。
そしていよいよ織姫こと張鈞甯登場!なかなか面白い役どころじゃないかぁ。清純なイメージしかなかったから新鮮。
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