建国からしばらくして落ち着いた頃、甄氏は仲達に、許都に残している子建公子を鄴城へ呼び寄せるよう子桓から魏王に頼んでほしいと言う。
仲達は子建を呼び寄せて立派な息子らが仲良く魏王の脇を固めていることを民衆にアピールすることは良い事だと勧めるが、子桓はせっかく後継として有利な立場にいるのにわざわざライバルを呼び寄せるのはおかしいと取り合わない。挙句、伯達の差し金だろうと言い出したので仲達はむっとして帰っていった。普段腰の低い彼が随分と頑なな態度を見せたため子桓は驚く。
翌日、子桓が担当した新庁舎のお披露目が行われるが仲達は出仕をさぼって子供たちと遊びに出掛ける。仲達が病で欠席すると聞いた子桓はまだ怒っているのかと呆れるのだった。
お披露目に姿を現した曹操は立派な扉に「活」という文字を書き入れ、どういう意味かわかるかと皆に問う。朝臣らが顔を見合わせる中、楊修が進み出て「この扉はよろしくないので取り壊すべきだ」と言う。この門は大き過ぎて民衆の反感を買いそうだからだ。それを聞いて曹操は得たりと笑う。すかさず楊修は子建を都へ呼び寄せて王の補佐をさせるべきだと進言し、それを見た子桓はふと考え直し、自分も楊修の意見に賛成すると申し出た。朝臣らは皆顔を見合わせ、曹操は意味深に笑う。
荀令君は曹操が魏王に即位した頃から病と称して朝議に出てこなくなった。心配した魏王は医師を遣る。だが荀令君の病とは、漢王家への忠誠と曹操の板挟みになる苦しみだった…。
平原侯・子建が鄴城入りすることが決定。子桓が結局進言通りに魏王に勧めたと知った仲達は急ぎ子桓の元へ行き先日の態度を陳謝する。子桓は弟といがみ合わず協力することも国のためだと思い、まずは子建を宴席へ招くことに。子丹が同席すると聞いてまた酔い潰されてはかなわないと仲達は出席を辞退した。
やってきた子建は兄との再会を素直に喜ぶ。が、側に控える楊修と丁儀は先ず父母に会うのが道義だと言って帰らせようとする。だが卞夫人と甄氏が仕立てた着物を贈られ感激した子建は子丹にも強引に誘われ結局宴席に上がり、楊修と丁儀は苦々しく戻っていく。
いい気分に酔っぱらった子建に子桓は泊っていくよう勧めるが、子建はやはり父母に挨拶にいかねばと千鳥足で退席していった。共に酔っぱらった伯達が馬車を御するが、誤って天子専用の通路である司馬門へ着いてしまった。引き返そうとするが子建が酔った勢いで馬車を暴走させ司馬門を通って宮殿へ乱入してしまった。
魏王はまさに怒髪天を突きこっぴどく叱りつける。司馬門を暴走するなど不敬罪で死刑は免れない。卞夫人は曹操にどうか息子を助けてとすがりつくが、いくら"魏王"の力があろうとも世論が許さない大事件だ…。
子丹はこれで子桓が後継になることは決まりだと祝杯をあげる。遅れてやってきた仲達はそこで初めて子建が酔って司馬門へ突入した事、随伴していたのが兄である事を知り真っ青になり飛んで帰る。
二日酔いでまだ寝込んでいる兄を叩き起こし昨晩の事を問い詰めると、子丹の言った通りの重罪を犯したと言い弟らは騒然とする。伯達は自分ではなく子建が馬車を暴走させたのであり、司馬門の門衛の崔申がそれを見ているはずだと言う。だが子建は己の身を守るために伯達に罪を擦り付けるおそれがある、崔申に正しい証言をしてもらわねば!しかしその時官兵が司馬家にやってきた…。
崔申は叔父である崔尚書に昨夜のいきさつを話す。崔尚書は今は誰にも話してはいけないと口止めする。そこへ子建の軍師である丁儀がやってきた。そして身内(娘の婿)である子建を助けるために崔申にすべて司馬朗がやったことだと証言させろと脅迫する。
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丁儀のその目はカラコンですかね。実はイケメン。
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