「龍族的后裔」第八集『熊姓 文王之師(下)』
翌朝聞仲は西岐領内の視察に出かけて行った。鬻熊はその後を伯邑考につけさせる。すると聞仲は山の中の湖の堰を切って水を放流しはじめた。西岐の風水(水の流れ。水の流れは運気の流れを左右すると信じられていた。)を変えるつもりだ。それを知った鬻熊はその下流に兵を集めさせ田畑へ通じる側流を掘らせた。
鬻熊の機転で聞仲は今回帰っていったが、商王が西岐を潰そうとしていることははっきりわかった。鬻熊は商王朝に代わって姫昌が中原をまとめ王となるべきだと説き、今から密かに練兵し力を蓄えるよう勧める。姫昌は鬻熊の前に膝をつき師として仰ぎたいと拝礼した。
秋が来た。西岐の収穫は例年の三割増しとなったと聞き、聞仲は鬻熊に騙されたと知る。話を聞いた帝辛もすぐに姫昌に召喚命令を出した。
西岐では誰もが行くべきではないと反対する中、鬻熊は行くべきだと言う。命令に従わなければ王朝軍が攻めて来るだろうがまだ対抗できるだけの兵力が揃っていない、それに姫昌は広く民心をつかみ支持されているので商王とて捕らえてすぐ殺すようなことはできまい。その言葉にうなづき姫昌は都・朝歌へと 向かった。
果たして朝歌へ着いた姫昌は有無を言わさず捕えられ投獄された。
父を救うため伯邑考は単身朝歌へ。帝辛に面会する。そこには彼の幼馴染である妲己もいた。彼女の一族はいわれのない罪で王朝軍に襲われ、美しい彼女は連れ去られ王の妃とさせられたのだ。だが今や帝辛を翻弄する彼女は昔の彼女とはすっかり別人になってしまったと伯邑考は心を痛めていたのだった。
伯邑考は自分が代わりに捕まるので父を釈放してほしいと訴える。だが妲己が彼の言葉は信用できないので殺してその肉を姫昌に食べさせてしまえと驚くべき発言をする。彼女が王朝軍に捕えられた時、伯邑考は彼女を助けようとするも一人ではどうにもできなかった。父に頼んで必ず助けるから…そう約束した。だが姫昌とて相手が商王ではどうすることもできなかった。妲己はあの約束は嘘だったと伯邑考と姫昌を逆恨みしていたのだ。
姫昌の前に肉の入ったスープが差し出され、それが彼を助けに来た息子のなれの果てだと告げられる。飲むよう迫られた姫昌は慟哭しながら一気に飲み干した。
鬻熊の侍女の安女は伯邑考と恋仲になっていたのだが、彼が殺されたと知り安女は鬻熊に黙って単身朝歌へ向かった。舞姫として宮中に上がった安女はすぐに帝辛の目に留まる。安女はとっておきの舞を披露するので満足いただけたら 西伯侯を釈放してほしいと申し出た。安女はセクシーな舞を見せ帝辛はすっかり魅了される…。
解放された姫昌が西岐へ戻って来た。姫昌はすぐに病床の鬻熊を見舞う。そして自分が安女によって解放された事、安女は寝所で帝辛を暗殺しようとして殺されたことを告げ、必ず商を倒し息子と安女の仇を討つと誓った。鬻熊は渭水に住む賢人・姜尚を訪ねるよう勧める。彼が必ず西岐を勝利へと導いてくれるはずだ。そして伝家の宝剣を姫昌に授けると鬻熊は息を引き取った。
紀元前1042年、姜尚は姫昌の次男・姫発を補け10万の兵を率い商王と戦った。鬻熊の孫・熊狂はその大戦で功を上げ、後の周の成王は鬻熊のひ孫の熊繹を荊楚の地に封じた。楚国は春秋五覇に数えられる大国となり800年続いた。
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話の流れから妲己が伯邑考に協力してくれるのかと思いきや非情な結末。ほんまに毒婦。
鬻熊は今回寝てるだけだし彼がどう偉大なのかはいまいち伝わらない話になってんだが。
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