「天盛長歌」第三十六集

魏王の持ってきた婿候補リストには魏知の名前もあり、皇帝は娘の目は確かだとご満悦。焦った辛子硯はもし魏知が婿になれば(伝統的に皇帝家に婿入りした者は政治に関わらないのが原則のため)朝臣からは外れ陛下が自由にお召しになることができなくなると言うが、妹から魏知と結婚したいと頼まれていた魏王は魏知だけ特例として朝臣のままにすることも陛下ならできると提言し、皇帝はますますご満悦。すぐに魏王に魏知の気持ちを聞いて来いと命じた。

魏王は魏知の気持ちを問うため自宅に招き、まずは妓女を呼んでもてなそうとするが、その妓女がなんと蘭香院の女だった。妓女は魏知が珠茵の妹分にそっくりだと言う。魏知は酒をがぶ飲みし、飲み過ぎてしまったので失礼すると言ってそそくさと帰っていった。


寧弈から常忠義を都へ呼ぶ策はどうなったと問われ辛子硯は素知らぬ顔で上手く行ったと答えるが、その様子を不審に思った寧弈に追及され、韶寧公主の婿に魏知が選ばれそうだということを白状する。皇帝は韶寧公主の結婚を理由にして常忠義を都へ呼び寄せるつもりだ。ここは結婚させることにしておいて、結婚式の直前に魏知を逃亡させればいいだろう。しかしそれを聞いた寧弈はあまりに危険だと猛反対、辛子硯は一人の女と国のどちらが大事なのかと説得するが寧弈は絶対に彼女を危険な目には遭わせないと頑なだ、閔海への使者を魏王ではなく魏知にさせろと無理難題を突き付ける。


妓女から詳しい話を聞いた魏王。兄らが次々と失脚し今度は六兄の弱点を捕まえた…辺境に追いやられ一縷の望みすら持っていなかった後継者の地位が目の前に見えて来たのだ、魏王の心にも野心が芽生える…。


魏知は韶寧公主から面と向かって結婚しろと言われ、その期待には応えられないと謝るが、怒った公主に拉致され皇帝の前へと連れてこられた。皇帝は魏知になぜ皇女の婿になるのが嫌なのかと理由を訊く。魏知は出生が卑しいので皇家の栄光を汚してしまうからと言い訳するが、公主は魏知以外の人とは結婚しないと泣きつく。皇帝は国王の権限で魏知に韶寧公主と結婚するよう命じるが、しかし魏知はその命には従えず死を賜りたいと答えた。傍らで成り行きを見守っていた赫連錚は魏知を救うために自分が韶寧公主を娶りたいからだと申し出るが皇帝は聞く耳を持たない、なぜ死を選ぶほど娘を嫌うのか…追求され魏知はついにこう答えた「私は、魏知ではないからです。私は、鳳知微なのです。」男のふりをして皇帝や朝臣を欺いた、そのため死を賜りたいと…。


嫌な予感がして寧弈は急ぎ父帝に面会へ。皇帝は跪く鳳知微らを前に怒りのあまり言葉を失っている。寧弈は魏知が女だったと今知った風を装って、女だてらに男を上回るその知恵で数々の功績を残し父帝を援けてきたことはまったく凄いことだとおおげさに驚いてみせる。韶寧公主は寧弈が魏知とグルだったと突きつけるが、寧弈は自分の好きな人が女だったから悔しくて八つ当たりしてるんだろうと嘲る。

皇帝は御史である寧弈に魏知の罪は何だと問う。寧弈は当然斬首だと即答したため、皇帝は目を剥く。兎に角今は父帝の怒りを鎮めるのが先だ、寧弈はとりあえず牢に入れておこうと彼女を連行させた。


魏知がとうとう"朝廷を揺るがす罪"で捕らえられたと知った秋明纓は気が気でない。宗宸は血浮屠が全力を挙げて彼女を助けると誓う。


牢内で死を覚悟する魏知。そこへ寧弈がやって来る。寧弈は素直に韶寧の求婚を受けていればまだ逃げる時間も稼げたのにと言いながらも、ここから出る方法が二つあると提じる。一つは、実は妊娠している事にすること。妊婦は特例で投獄を免れるからだ。そして10か月の間に罪を逃れる方法を考えればいい。しかしそれでは相手が誰なのかと追及されるだろうと言う鳳知微に寧弈は自分がその相手だと言えばいいと言う。楚王にそんな汚名を着せるわけにはいかないと鳳知微が涙を浮かべて首を振るので寧弈はもう一つの案だといって小さな竹筒を渡す。これを証拠品として提出すればよいと。竹筒を開けて中の文を開いてみると、そこには楚王の名で「男に成りすまし青溟書院へ潜入し太子の悪事の証拠を集めろ」と書かれていた。鳳知微は楚王を誣告などすればこの先生きていく資格などないと泣いて訴えるが、寧弈は誣告ではなく実際に自分が謀ったことなのだと告げる。


赫連錚は参内し、鳳知微を嫁にして連れて帰りたいのでどうか釈放してほしいと訴える。だが皇帝は無情にも7日後に斬首すると告げるのだった。

秋明纓は食事を持って牢中の娘を見舞いに。もし誰か助けてくれそうな仲間がいるのならこの母が頼みに行くと言うが、鳳知微は頼りになるのは母だけだと答える。


閔海常家に燕王の投獄と常貴妃の死が知らされた。常遠は悲しみ憤るが息子らは今は自身の身を案じた方がいいと心配する。

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 な……急転直下、怒涛の展開に涙を禁じ得ない!!

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