「軍師連盟」第四十二集(大結局)

鄧艾は司馬府を訪れ曹洪が投獄されたことを春華に伝え、尚書台として必ず仲達を救ってみせると言う。そこへ柏氏がやってきて、自分の恨みを晴らすためのその行為で仲達が危機に瀕することになったと言い放つ。曹洪が処刑されれば曹一族と軍兵らが黙っていない、そして彼らを抑えられなくなった陛下はどうする?仲達を処刑して彼らの怒りを収めようとするだろう。それを聞いた鄧艾は愕然とする。そこへ鍾会もやって来てとんでもないことをしてくれたと鄧艾を殴りつける。

曹洪を助けなければ仲達も助からない…鄧艾はすぐに陛下に情状酌量に行くと去って行ったが、陛下の気質からいって命令を撤回するとは思えない。今の陛下の気持ちを変えられるとしたらただ一人、郭皇后だけだ。しかし春華も柏氏も今は後宮に入ることは許されない身。そこで夏侯徽を皇后の元へと遣る。


鄧艾は私情により曹洪を追い詰めたと申し出て情状酌量を願うが、曹丕はお前が言い出したことをなぜ撤回すると問う。曹洪を処刑すれば曹一族や将士の不満が爆発し仲達や新制度そのものが彼らの怒りの対象となると訴えるが、曹丕はお前は結局のところわたしの味方なのかそれとも仲達の味方なのかと突きつける…。


話を聞いた郭皇后は太后の元へ。太后は皇后が政事に口をはさむのは許されないと激怒し廃后すべきだとまで言い出す始末。そこへ騒ぎを聞いて曹丕がやってきた。太后は曹洪のおかげで先帝は何度助けられたことかと言い、何も死刑にせずとも爵位剥奪などで済ませればよいではないかと説く。曹丕はとうとう母の意を汲んで情状酌量を受け入れた。

郭皇后を連れて戻った曹丕は、司馬懿を救うためにしたのだろうと問う。郭皇后は蒼白になり慌てて平伏する。だが曹丕は彼女を助け起こし、ありがとう助かった、と言うのだった。


曹丕の前に連れてこられた曹洪はひたすら畏れ入り平伏する。曹丕は郭照の皇后即位に伴う恩赦として、曹洪をはじめ投獄されているすべての者の罪を赦しあるいは減刑すると言い渡した。曹洪の爵位を剥奪し、そして司馬懿も官位剥奪し郷里へ帰らせろと命じる。ところが曹真が反対する。司馬懿も同様に罰せられたら曹一族の怒りが解けてしまう…。曹丕はもちろんそれが狙いだった。死罪であった曹洪が爵位剥奪されるのだから同様に死罪であった司馬懿も官位剥奪されるのは当然であろうと言う。


仕事場から荷物を引き上げる仲達はようやく平穏な日々を送れるとむしろ晴れ晴れしていた。陳群に新制度による富国強兵をあと三年は続け、若者たちをよく導いていってくれと頼む。鄧艾や鍾会ら尚書台の部下らは皆引き留めようとするが、仲達は彼らに常に"利害"と"形勢"を読み、国のために新制度を遂行していくようにと託して去って行った。


司馬府ではもう荷物もあらかたまとめ終わっていた。仲達は春華と共に食事を摂る。昔拾った子亀はすっかり大きくなりすぐに碗から這い出てしまうようになった。思えばあの脚を折った日から随分経ち、絶対仕官はしないと考えていた自分は帝の側で政事をとるようになっていた。この亀と一緒に遙か洛陽まで這って来たが、また共に郷里へ帰るのだ。

彼女はどうするの?春華に訊かれた仲達は、全てお前のいいようにしなさいと答える。春華はご飯を食べ終わったら彼女に荷物をまとめるよう言いに行きなさいと言うのだった。


西の離れへ赴いた仲達は、柏氏に共に郷里へ行こうと言う。彼女が陛下のスパイであるがゆえに常に警戒してきたが、官職を退いたこれからは見張られるという心配もなく腹を割ってつきあえる。しかし柏氏は共には行けないと答える。もし侯嬴が信陵君について行っていたら彼がその後の偉業を成し得たかどうかわからない。そして私はあなたがまた朝廷に戻って来ると信じている、その日のために私はここに残ります、と。

この世はいつでも、どう転ぶかわからない。人の生死も紙一重…そう言う仲達に柏氏は初めて仲達を見た時の事をよく覚えていると言う。志に溢れたその男は人生かけてその大きな仕事をやり遂げるだろう。私をあなたの手駒として使ってください、それだけが私があなたのためにお役に立てること…。


仲達は部屋へ戻ろうとするが、なぜか春華は部屋に鍵をかけて仲達を締め出し寝てしまった。どういうことだ?しばらく待ってみるが春華は灯も消してしまった。

仲達は仕方なしに西の離れへ戻り、柏氏に妻から締め出されたと言う。柏氏は春華の気づかいだと悟る。柏氏は部屋に入れてもいいけどひとつだけ答えてほしいと言う。あの日、陛下の避暑地で会った時に私のことを魅力的だと思ったの思わなかったの?

仲達は妻との二十年来にわたる心の繋がりは一時の色香に惑わされるものではなかったと言い、しかし今は柏氏とも共に暮らし心の繋がりがあると感じていると答える。柏氏は仲達に抱き着き仲達もしっかりと抱きしめる。


曹丕は叡公子を連れ狩りに来ていた。曹丕は一頭の鹿を見事射止める。その鹿の側に仔鹿がいる、あいつを狙え、曹丕は叡公子に矢を射るよう指示するが、叡公子は母を殺された仔鹿を殺すのは不憫でならないと弓を投げ捨てた。


郷里へ戻った仲達はすっかり荒れ果てた農地を耕し始める。司馬師も司馬昭も、どうせ父は新制度のことが気になって仕方ないはずだ、途中で投げ出すはずがないからなと呆れながらも手伝うのだった。


都ではまたいつものように朝議が開かれる。そこに司馬懿の姿はない。(終)

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えっごめん、最後の張鈞甯が爽やかな笑顔で抱き着くシーンはこれはないわーてツッコんでしまった。やっぱり彼女は爽やかすぎてこの役は合ってなかったわ。残念!

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