鄧艾は曹真が不当に占拠していた土地も屯田の対象に入れたため彼の手下らが反抗し、30幾人もの逮捕者が出た。太后(卞夫人)は曹丕に一族の土地を他人の好きにさせるのかと憤慨する。さらにいつまでも甄氏を皇后に封じず彼女の息子を皇太子に立てないことに言及し、自身と同じ轍を踏ませるつもりかと突きつける。子建も子文も都へ戻ることを許されず血を分けた兄弟にもあまりにも酷い仕打ちだと。しかし曹丕は全ては皇帝であるため、曹家の皇帝ではなく天下の皇帝であるために必要な新制度だと母の訴えをも退けるのだった。
おそらく曹真らが母に働きかけたのだ…曹丕は以後何人たりとも太后に政事を訴えることは許されないと触れを出す。
劉協の二人の娘のうち姉公主は、甄氏を蹴落とせば皇后の地位が近くなると考え、皇帝の寵愛を失った女の恨み節を歌った歌を後宮内に広めさせる。その歌を知った曹丕は甄氏が作ったと考え、罰として叡公子と引き離させる。
しかし昔から甄氏の事をよく知る郭照は彼女がそのような歌を作るわけがないと女官らを尋問し、姉公主が広めた事実を掴む。郭照は姉公主を後宮の規則に背いたとして20の棒打ちの刑に処する。郭照は、女は嫁に行けば皆一人、親の威光に頼らず己で己の身を守るよう自重することだと言って去って行った。 郭照によって甄氏の冤罪が雪がれ叡公子は母の元へ帰された。
鄧艾の行為は許せない、司馬懿を殺してやる…騒ぐ一族らを老将・夏侯惇は諌める。お前達は封地も職も財産も充分ありながらまだ足りぬと言うのか、己の事ばかり考えず国の事を考えよと。しかし一族らは国より曹家が大事だと譲らない。夏侯惇はため息をつく。
翌日、夏侯惇は仲達の元を訪れる。夏侯惇は水をきれいにしても泳ぐ魚がいなければ意味がない、何事も早急に事を進めることなかれと言う。しかし仲達は自分一人が国の興亡を決めるのではない、ちょうどあなたがあなたの親族の専横を止められないように、と答える。赤壁で戦った将軍ならおわかりのはずだ、戦に勝ち天下を治めるために今必要なのは民を休ませ糧食を蓄え備えること。これを無視すれば今度こそ孫権劉備に国を取られることになるだろうと。 しかし将士らは納得すまい、実際戦地へ赴き戦ってきたのは彼らなのだと夏侯惇は言う。彼ら武将の統率が取れなければ、一旦敵に攻め込まれたら国は終わりだと。それに対して仲達は言う、皇帝の一族が将軍となり兵を率いる習慣をやめればいいのです。
怒った夏侯惇は帰ろうとするが突然発作を起こし倒れてしまった。仲達は驚いて助け起こそうとするが、既に息をしていない。なんてことだ、夏侯惇よ、死してわたしに抗うというのか…。
夏侯一族は皆司馬懿を殺せと色めき立っている、事故とはいえとんでもないことをしてくれたと曹丕は仲達に怒りをぶつける。新制度の継続がますます難しくなってきた。
仲達は彼らの怒りを抑えるため自分を処刑してもよいから新制度は必ず突き通してほしいと願い出る。曹丕は夏侯惇の弔いのために東門に祭壇を設け、仲達と陳群も同行するよう命じる。直接夏侯府へ行けば仲達は殺されるだろう、門前なら衛兵も多く彼らとて手を出せまい。新制度のためにはまだ司馬仲達を失うことはできないのだ。
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夏侯惇はやっぱ格好良い役どころだなぁ。あっという間の退場に涙を禁じ得ない。(最期がひでえよ。呉秀波やりすぎw)
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